【Q&A】解雇の基礎知識

目次

Q1 解雇って何?

Q 解雇って何ですか?

A 解雇とは、使用者(会社)から労働者に対する、一方的な労働契約終了の意思表示です。

 解雇は、労働者の意思に関係なく、有無を言わせず労働契約終了の効果が生じるところに特徴があります。逆に、労働者に退職の承諾を求めるものは解雇ではありません。

Q2 「明日から来なくていい!」は解雇?

Q 社長から「明日から来なくていい!」と言われました。これは解雇ですか?

A 分かりません。本日付で一方的に労働契約を終了させる旨の意思表示であれば解雇に当たりますが、この一言だけで判断するのは危険です。

 解雇されたと決めつけて会社に行かなくなると、後から無断欠勤や自主退職と言われてしまう可能性があります。「クビということですか?」と解雇であることを確認しましょう。

 また、後日会社から「解雇なんてしていない。」と言われてしまわないように、解雇かどうかの確認は、録音をするか、メールなど文字に残る形で行いましょう。

Q3 解雇されたら諦めるしかない?

Q 解雇されてしまったら、諦めて辞めるしかないのでしょうか。

A いいえ。解雇は労働契約法16条で厳しく制限されていて、解雇のほとんどは違法無効です。

 解雇は使用者が一方的に労働契約を終了させてしまう最終手段なので、注意・指導や懲戒処分を繰り返しても改善が期待できない場合や、金銭の横領などよほどの非違行為がなければ有効にはできません。諦めずに弁護士に相談しましょう。

Q4 解雇理由の立証は誰がする?

Q 会社から、私が不正をしたという理由で解雇されてしまいました。私が不正をしていないことを証明しないといけないのでしょうか。

A いいえ。解雇理由の立証責任は使用者にあるので、使用者が解雇理由を立証しない限り解雇は無効です。

 使用者は、労働者がいつ、どこで、どのような不正をしたのかを、客観的証拠を示して具体的に立証しなければなりません。

Q5 解雇されたらまず何をすればいい?

Q 解雇されてしまったらまず何をすればいいですか?

A 会社に解雇理由証明書の発行を求めて解雇理由をはっきりさせましょう。また、なるべく早く弁護士に相談しましょう。

 使用者には、労働者から求められれば、解雇の理由を記載した解雇理由証明書を遅滞なく発行する義務があります(労基法22条2項)。早期に解雇理由を明らかにさせることで、使用者が後から解雇理由を作ることを防止します。

 また、解雇後の労働者の言動により解雇を争いづらくなってしまうこともあるので、自己判断で動かず早期に専門家に相談することが重要です。

Q6 解雇だけど退職届、サインする必要あるの?

Q 会社から「解雇なので退職届にサインしてください。」と言われました。サインする必要はあるのでしょうか。

A 絶対にサインしないでください。退職届にサインすると自分から納得して辞めたことにされてしまうおそれがあります。

 解雇は使用者の一方的な意思表示なので、労働者が何かにサインする必要はありません。その場で何かサインを求められても、すぐにサインせず持ち帰って弁護士に相談しましょう。

Q7 「辞めてくれないか」は解雇?

Q 社長から「辞めてくれないか」と言われました。解雇するということでしょうか?

A 「辞めてくれないか」と労働者の同意を求めるものは、解雇ではなく退職勧奨です。

 解雇は使用者による一方的な意思表示なので、労働者の同意は不要です。労働者に対して、労働者の意思表示が必要な辞職や合意退職をお願いすることを退職勧奨といいます。

 退職勧奨は、あくまでお願いなので、労働者はこれを自由に断ることができます。

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