【解雇事件マニュアル】Q84労働協約による解雇の手続的制限の効力は

 労働協約に、例えば会社が解雇を行うときには労働組合と事前に協議することを要するなどの解雇の手続規定がある場合、この労働協約上の手続きを経ずに行われた解雇は無効になるのか。

 解雇の手続規定が労組法16条の「労働条件その他の労働者の待遇に関する基準」に該当すれば、労働協約上の解雇の手続規定は、規範的効力をもって労働契約を規律し、これに違反する解雇は無効となる。

 水町『詳解労働法』1003~1004頁は、実体的ルールと手続的ルールは一体となって労働条件を構成していることなどを考慮すると、解雇手続についても具体性・特定性を有するものであれば「労働条件」に関する「基準」として規範的効力をもつものと解すべきであるとしている。

 仮に、労働協約上の解雇の手続規定に違反する解雇が、それだけで直ちに無効にならないとしても、解雇が労働協約上の手続きを経ずに行われていることは、解雇の社会通念上の相当性(労契法16条)を否定する重大な要素になるであろう。

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