労災

今日の労働裁判例
Case434 骨髄増殖性腫瘍の持病を持つ豚舎職員の人畜共通病原菌であるロドコッカス・エクイ菌の感染症について公務起因性を認めた事案・地公災基金熊本県支部長(農業研究センター)事件・熊本地判令5.1.27労判1290.5

(事案の概要)  公務災害を否定する認定処分に対する取消訴訟です。  本件労働者は、熊本県農林水産部農業研究センター畜産研究所中小家畜研究室(本件研究室)の養豚エリアで、豚の餌やり、餌箱内の豚の糞や豚房に溜まった糞をスコ […]

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Case431 部下を指揮監督していたとしても割増賃金の支給すら決定権限を有していないことから管理監督者を否定した労災取消訴訟・国・広島中央労基署長(アイグランホールディングス)事件・東京地判令4.4.13労判1289.52

(事案の概要)  原告労働者が、労基署長が行った原告が管理監督者であることを前提とした労災支給決定の取消しを求めた取消訴訟です。  原告は、会社において、取締役会と管理本部の下にある管理本部経理部長の地位にあり、経理課と […]

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Case392 労災保険法上の給付を受けている労働者も労基法81条の打切補償の対象となるとした最高裁判例・学校法人専修大学事件・最判平27.6.8労判1118.18

(事案の概要)  被告労働者は、業務上疾病(頚肩腕症候群)により療養のため約6年間にわたって休業して労災保険給付を受けていましたが、原告法人から労基法81条の打切補償として平均賃金の1200日分の支払いを受けたうえで解雇 […]

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Case372 発症と悪化で形式的に異なる基準を用いるべきではないとして精神障害の発症時点では業務起因性が認められなかったものの悪化時点で業務起因性が認められた事案・国・北九州東労基署長(TOTOインフォム)事件・福岡地判令4.3.18労判1286.38

(事案の概要)  労災不支給決定に対する取消訴訟です。  原告は、業務内容や業務量の変化や、上司に当たるAから厳しく指導を受けるなどし、平成23年4月にうつ病などと診断され(本件発症)、休業しましたが、同年7月に復職しま […]

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Case345 運行時間外手当の固定残業代性を否定し、これを有効として給付基礎日額を算定した労災支給決定を取り消した事案・国・所沢労基署長(埼九運輸)事件・東京地判令4.1.18労判1285.81

(事案の概要)  原告労働者は、本件会社における月平均約100時間を超える長時間労働が原因で狭心症を発症しました。労基署は、原告の狭心症の発症につき労災支給決定をし、給付基礎日額を増額する変更決定をして改めて支給決定(本 […]

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Case339 公立学校の教員について超勤4項目以外の部活動の時間等も含めて業務の量的過重性を評価すべきであるとして校長の安全配慮義務違反を認めた事案・大阪府事件・大阪地判令4.6.28労経速2500.3

(事案の概要)  原告労働者は、被告大阪府が設置する本件高校で世界史の教諭として勤務していましたが、適応障害を発症し休職しました。  原告は、授業の他に、生徒会部に所属したほか卓球部及びラグビー部の顧問として休日にも生徒 […]

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Case337 既に精神障害を発病している労働者の発病・悪化についても、業務による心理的負荷が精神障害を発病させる程度に強度であるといえるかによって業務起因性を判断すべきであるとした事案・北九州東労働基準監督署長事件・福岡地判令4.3.18労経速2499.9

(事案の概要)  労災不支給決定に対する取消訴訟です。  本件会社でシステムエンジニアをしていた原告労働者は、出向中の平成23年4月に精神障害を発症していましたが(本件発症)、帰任後に二人体制でやっていた業務を一人で行う […]

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Case335 長時間労働に加え職員の時間外勤務時間を月80時間以内に修正する作業をさせられ精神疾患を発症した公務員について公務起因性が認められた事案・地方公務員災害補償基金愛知県支部長事件・名古屋地判令3.4.19労経速2458.25

(事案の概要)  公務災害を否定する処分に対する取消訴訟です。  市の職員であった原告労働者は、それまで庶務・管理的な内部事務の経験はありませんでしたが、平成19年4月に本件病院の事務強管理下に配置換えになり、職員の出張 […]

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Case324 使用者が労働者の兼業状況を容易に把握することができたとして兼業も合わせた長時間労働につき安全配慮義務違反を認めた事案・大器キャリアキャスティングほか1社事件・大阪高判令4.10.14労判1283.44

(事案の概要)  原告労働者は、被告会社と有期雇用契約を締結し、A社が運営する24時間営業のガソリンスタンドで夜間営業の業務を行っていました。  原告は、A社とも有期雇用契約を締結し、日中や日曜にも同じガソリンスタンで勤 […]

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Case323 トラック運転手からラーメン店の店長候補に配置転換された労働者について精神疾患発症の業務起因性を認めた事案・国・笠岡労働基準監督署長事件・岡山地判令4.3.30労経速2508.8

(事案の概要)  労災不支給決定に対する取消訴訟です。  原告労働者は、会社でトラック運転手として配送業務をしていましたが、会社が経営するラーメン店の店長候補に配置転換されました。  原告は、慣れない業務を行う中でおおむ […]

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