就業規則

降格減給・配置転換等
就業規則の不利益変更

1 はじめに  労働契約を締結する際、細かい契約内容を全て雇用契約書に記載することはせず、従業員一般に適用される契約内容については使用者が作成する就業規則に定められていることが一般的です。 就業規則の内容は、個別契約の内 […]

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Case108 退職金の額を「中退共と養老保険の支払額」とするのみで計算方法の記載がない就業規則では、実質的周知がされたとはいえないとされた事案・中部カラー事件・東京高判平19.10.30労判964.72

(事案の概要)  被告会社では、旧就業規則により適格退職年金契約に基づく企業年金制度を採用していましたが、適格年金資産の運用利回りの低下により退職金の積立不足が生じたため、中小企業退職金共済制度及び第一生命保険相互会社の […]

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Case99 公民権の行使等に要した時間に対応する賃金を支給しないこととする就業規則の不利益変更の合理性が否定された事案・全日本手をつなぐ育成会事件・東京地判平23.7.15労判1035.105

(事案の概要)  被告法人では、旧就業規則に「公民権行使のため遅刻または早退した時は、届け出により遅刻、早退のとり扱いをしない。」との規定がありましたが、本件就業規則変更により廃止されました。  被告法人で働く原告労働者 […]

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Case98 復職要件に「健康時と同様」の業務遂行が可能であることを付加する就業規則の不利益変更が不合理であるとされた事案・アメックス(休職期間満了)事件・東京地判平26.11.26労判1112.47

(事案の概要)  原告労働者は、業務外傷病(うつ状態)により休職していました。  原告の休職中、会社は就業規則に「復職とは従来の業務を健康時と同様に通常業務遂行できる状態の勤務を行うこと」などとする規定を新設しました。 […]

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Case97 所定休日を減らす就業規則変更の合理性が否定され、休日として行使できる地位の確認が認められた事案・フェデラルエクスプレスコーポレーション事件・東京地判平24.3.21労判1051.71

(事案の概要)  本件は、原告ら労働者107名が、被告会社に対して、会社の定める休日とされていた4日間を休日から削除した就業規則の変更には合理性がないとして、上記4日間を休日として行使できる地位にあることの確認を求めた事 […]

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Case96 契約更新の上限を満50歳とする就業規則の不利益変更の合理性を事実上否定し、年齢を理由とする雇止めを無効とした事案・市進事件・東京高判平27.12.3労判1134.5

(事案の概要)  原告労働者Aは、専任教務社員(50歳まで)ないし特別嘱託専任社員(51歳)として約20年間、契約期間1年の雇用契約を更新してきましたが、50歳を超えたという理由で被告会社から雇止めされました。  原告労 […]

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Case95 代償措置等のない70歳から67歳への定年引下げが不合理な就業規則の不利益変更であるとされた事案・大阪経済法律学園事件・大阪地判平25.2.15労判1072.38

(事案の概要)  原告労働者らは、被告法人が運営する大学の教授として勤務していました。  被告法人では、昭和55年に教授ら専任教員の定年を満70歳とする教員定年規程が制定されていました。  被告法人は、平成21年、原告労 […]

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Case94 就業規則中の運行手当明細表の改定による不利益変更の合理性が否定された事案・中野運送店事件・京都地判平26.11.27労判1124.85

(事案の概要)  被告会社は、経営上の理由から就業規則の運行手当明細表を変更し(本件改定)、原告ら運転手の賃金を減額しました。  本件は、原告ら13名が、運行手当明細表の不利益変更の無効を主張し、変更前の運行手当明細表に […]

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Case93 人件費削減目的でないにもかかわらず賃金減額をもたらし代償措置も不十分である賃金制度の変更が不合理であるとされた事案・社会福祉法人賛育会事件・東京高判平22.10.19労判1014.5

(事案の概要)  被告法人は、多くの福祉施設が成果型賃金制度を導入しており、被告法人においても同様に年功序列型賃金制度から成果主義型賃金制度に変更する必要性があるとして、職能資格制度を導入するとともに、就業規則や賃金規程 […]

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Case92 年功序列型から成果主義型への賃金制度の変更が就業規則の不利益変更に当たるとした事案・ノイズ研究所事件・東京高判平18.6.22労判920.5

(事案の概要)  被告会社は、給与規程等を変更し、職能資格制度に基づき職能給を支給する年功序列型の旧賃金制度から、職務等級に基づき職能給を支給し、人事評価で昇格も降格もあり得るとする成果主義型の新賃金制度へ賃金制度を変更 […]

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