懲戒処分

今日の労働裁判例
Case330 解雇通知を誤って労働者の隣家に投函したことに対する慰謝料が認められ、組合員名簿等の提示を求め団体交渉を拒否したことが不当労働行為に当たるとされた事案・学校法人コリア国際学園事件・大阪地判令4.12.26

(事案の概要) 1 原告A  被告法人が運営する学校で教員をしていた原告Aは、法人からの退職勧奨を拒否したところ、自宅待機命令ののちに解雇されました。解雇理由は、⑴複数回の遅刻や、⑵教員会議での指示に反して他の教員の退職 […]

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Case325 開発センター廃止を理由とするセンター長に対する配転命令を無効とし配転命令拒否を理由とする賃金支払停止、減給処分及び解雇も無効とした事案・メガカリオン事件・東京地判令4.7.5

(事案の概要)  原告労働者は、iPS細胞由来の血小板製剤の開発を目的とする被告会社が運営する本件センターのセンター長として業務を行っていました。  会社は、平成30年1月、原告に対して、本件センターの廃止を理由に退職勧 […]

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Case321 就労時間中に従業員引き抜きの準備行為をしたことを理由とする懲戒処分がいずれも無効とされた事案・不動技研工業事件・長崎地判令4.11.16労判1290.32

(事案の概要)  社外の人間であるAは、被告会社の従業員を引き抜き、被告会社と競業する業務を行う新会社を設立することを計画していました。  原告ら労働者3名は、Aの計画に加担したとして、原告1(課長職)は懲戒解雇、原告2 […]

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Case315 銀行の元営業本部パーソナル・バンク長に対する懲戒解雇が無効とされた事案・スルガ銀行事件・東京地判令4.6.23労経速2503.3

(事案の概要)  原告労働者は、銀行である被告会社において執行役員や営業本部パーソナル・バンク長を歴任していましたが、会社から、以下の理由により懲戒解雇されました。 ①パーソナル・バンク長という強い立場から審査部門に強い […]

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Case305 長年に渡る多数の非違行為が認められるものの懲戒免職を選択したことは裁量権の範囲を逸脱するとして懲戒免職処分が取り消され慰謝料も認められた事案・糸島市・市消防本部消防長事件・福岡地判令4.7.29労判1279.5

(事案の概要)  懲戒免職処分を受けた原告労働者1の事件と、懲戒処分を受けた原告労働者2の事件が一緒に判断されていますが、原告労働者1の事件のみ紹介します。  原告は、被告市消防本部予防課係長として、部下に対して多数のい […]

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Case299 生命保険募集人としての権限・地位を濫用して顧客に契約をさせた事実は認められないとして懲戒解雇が無効とされた事案・日本郵便事件・札幌地判令4.12.8労経速2511.3

(事案の概要)  原告労働者は、保険販売員として、被告会社がかんぽ生命から委託を受けていた保険募集業務を行っていました。  原告は、保険契約者の意向に沿わない保険商品を提案し、乗換契約に伴う不利益を契約者に告知せず、自ら […]

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Case231 プライベートで元交際相手に傷害を負わせたとして刑事裁判を受けていた労働者に対する起訴休職処分が無効とされた事案・全日本空輸事件・東京地判平11.2.15労判760.46【百選10版64】

(事案の概要)  被告航空会社に機長として雇用される原告労働者は、平成8年4月、プライベートで元交際相手(会社の元客室乗務員)に傷害を負わせたとして逮捕され、罰金10万円の略式命令を受けて釈放されました。原告は、同年5月 […]

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Case229 7年以上前の上司への暴行を理由とする諭旨退職処分を時間の経過により無効とした最高裁判例・ネスレ日本事件・最判平18.10.6労判925.11【百選10版54】

(事案の概要)  原告ら労働者2名は、被告会社と対立的な関係にある労働組合の中心的人物でした。原告らは、平成5年から平成6年にかけて、上司が原告Bの病気欠勤の年休への振替を繰り返し認めなかったことが組合への攻撃であると考 […]

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Case228 私生活上の住居侵入罪を理由とする懲戒解雇を無効とした最高裁判例・横浜ゴム事件・最判昭45.7.28民集24.7.1220【百選10版59】

(事案の概要)  原告労働者は、他人の住居に侵入し、家人に見つかり逃走しましたが逮捕され、住居侵入罪により罰金2500円に処されました。この噂は、被告会社の工場周辺の住民や従業員に広まりました。  会社は、就業規則上の懲 […]

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Case214 約1年半の間に100回にわたり旅費を不正請求したことを理由とする懲戒解雇が、同等の行為をした従業員が停職処分であったことなどから無効とされた事案・ 日本郵便(北海道支社・本訴)事件・札幌高判令3.11.17労判1267.74

(事案の概要)  被告会社で広域インストラクターとして勤務していた原告労働者は、約1年半の間に、100回にわたり①社用車で出張先に赴きながら公共交通機関を利用したものと虚偽の旅費請求書等を提出して約195万円(うち不正受 […]

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