損害賠償

今日の労働裁判例
Case476 海外出張中に現地法人の従業員が起こした交通事故について会社の使用者責任が認められた事案・伊藤忠商事・シーアイマテックス事件・東京高判令5.1.25労判1300.29

(事案の概要)  原告労働者は、被告会社に出向し、マレーシアに海外出張していました。  原告労働者は、本件ビジネスの視察に行くために被告会社の孫会社であるマレーシア法人の従業員Aが運転する車に同乗し、Aの過失による交通事 […]

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Case474 職員を退職させる目的で組織的に行われたハラスメント行為について国家賠償が認められた事案・東京都ほか(警視庁海技職員)事件・東京高判平22.1.21労判1001.5

(事案の概要)  原告労働者は、警視庁海技職員として採用されましたが、警備艇の操縦が怖くて自信がないと拒否するなどしたため、他の職員から原告の勤務態度に不満が出ていました。  原告は椎間板ヘルニアにより3年間休職した後復 […]

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Case472 建材メーカーの責任について所謂シェア論による立証手法を否定した高裁判決を破棄して原審に差し戻した最高裁判例・建設アスベスト訴訟(東京)事件・最判令3.5.17労判1299.5

(事案の概要) 石綿(アスベスト)含有建材から生ずる石綿粉じんにばく露したことにより石綿関連疾患(中皮腫等)を発症した建設作業従事者やその遺族が、国に対して、石綿粉じんにばく露することを防止するために労働安全衛生法(安衛 […]

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Case468 国歌斉唱の際の不起立を理由に2度の戒告処分を受けた教員に対する定年後再任用拒否が違法とされた事案・大阪府(府立学校教員再任用)事件・大阪高判令3.12.9労判1298.30

(事案の概要)  被告大阪府立学校の教員として勤務してきた原告労働者は、過去に2回、卒業式の国家斉唱の際に起立斉唱しなかったことを理由に戒告処分を受けていました。 原告は、定年を迎えるに当たり、教育委員会から校長を通じて […]

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Case467 賃金規程に降給を予定した規定がないとして勤務不良を理由とした一方的な賃金減額を無効とし休業損害等の損害賠償請求も認めた事案・システムディほか事件・東京高判平30.12.19

(事案の概要)  被告会社で勤務する原告労働者の賃金は、月37万6500円(基準給23万、能力給3万2000円、裁量労働手当5万7500円、技能手当2万7000円、住宅手当3万)でした。  会社は、原告の賃金を、月22万 […]

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Case465 国労マークの入ったベルトの着用が「胸章、腕章等」の着用を禁止する就業規則に違反しないとして就業規則の書き写しを命じた教育訓練を違法とした事案・JR東日本(本荘保線区)事件・仙台高秋田支判平4.12.25労判690.13

(事案の概要)  国鉄労働組合(国労)の組合員であった原告労働者は、被告会社において、国労マークの入ったベルト(いわゆる国労グッズの一つ)を着用して業務を行っていたところ、被告区長から、ベルトの着用が就業規則に違反すると […]

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Case464 試用期間から本採用となり地位や仕事の量・質が変化した後の長時間労働を総合評価して適応障害発症及び自殺の業務起因性を認めた事案・青森三菱ふそう自動車販売事件・仙台高判令2.1.28労判1297.147

(事案の概要)  本件労働者は、平成27年4月に被告会社に入社し自動車整備等の業務に従事していました。同年6月までは試用期間として中堅社員の下で整備を行っていましたが、同年7月以降は一人で整備を行うようになりました。また […]

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Case462 入社直後に精神障害等級3級であることのみを理由としてなされた退職勧奨が不法行為に当たるとして慰謝料80万円が認められた事案・中倉陸運事件・京都地判令5.3.9労判1297.124

(事案の概要)  精神障害等級3級の認定を受けている原告労働者は、職務経歴書に「健康状態は良好ではあるものの持病がある為、月に1日通院しております。」と記載し、うつ病の診断書を提出したうえで被告会社に雇用され令和2年8月 […]

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Case458 雇用期間満了前に労働者を合意退職扱いしたことが違法な解雇に当たるとして慰謝料10万円が認められた事案・ISS事件・東京地判令5.1.16労経速2522.26

(事案の概要)  原告労働者は、被告会社と令和2年2月3日から3か月間の有期雇用契約(本件雇用契約)を締結し、本件雇用契約は2回更新され、最後の契約期間は同年9月30日までとされました。  原告は、同年8月27日、会社か […]

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Case452 下請業者の労働者に対する元請業者の安全配慮義務違反を認めた最高裁判例・三菱重工業神戸造船所事件・最判平3.4.11労判590.14

(事案の概要)  元請の被告会社から注文を受けた下請企業の労働者である原告労働者らは、社外工として被告会社の造船所で社外工としてハンマー打ち作業等に従事し、聴力障害(難聴)を発症しました。  本件は、原告らが被告会社に対 […]

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