残業代

今日の労働裁判例
Case374 寮の管理人及び寮母について終業時間後及び休日の待機時間が労働時間に当たるとされた事案・共立メンテナンス事件・大阪地判平8.10.2労判706.45

(事案の概要)  原告労働者らは夫婦で、原告Aは管理人、原告Bは寮母として被告会社の寮で働いていました。  原告Aの終業時間は午後10時とされていましたが、午後11時まで電話交換業務、午後10時から午後11時まで館内巡視 […]

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Case373 月80時間分相当の固定残業代の定めが公序良俗に違反し無効とされた事案・イクヌーザ事件・東京高判平30.10.4労判1190.5

(事案の概要)  固定残業代の有効性が争点となった残業代請求事件です。  原告労働者と被告会社の雇用契約では、基本給のうち一定額を月80時間分の固定残業代として支給するものとされていました。 (判決の要旨)  判決は、い […]

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Case370 通常の労働時間の賃金部分と割増賃金部分を判別できないことから年俸に割増賃金が含まれているとはいえないとした最高裁判例・医療法人社団康心会事件・最判平29.7.7労判1168.49

(事案の概要)  被告法人と本件雇用契約を締結し、医師として勤務していた原告労働者が残業代請求した事案です。  本件雇用契約では、賃金は年俸制(総額1700万円)で、内訳は①本給(月86万円)、②諸手当(役付手当3万円、 […]

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Case368 使用者が実態と異なることを理由に就業規則の拘束力を否定することは許されず、出来高払制とされていたトラックドライバーにも日給月給制を採用する就業規則が適用されるとした事案・大島産業事件・福岡高判平31.3.26労経速2393.24

(事案の概要)  原告労働者は、被告会社で長距離トラックドライバーとして勤務していました。  会社は本件就業規則作成時には土木工事業のみを営んでおり、従業員の賃金体系を日給月給制としていました。しかし、その後始めた運送業 […]

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Case362 雇用契約書等が作成されていない場合に求人広告の内容での賃金合意を推認し諸手当が固定残業代に当たらないとした事案・東京港運送事件・東京地判平29.5.19労判1184.37

(事案の概要)  原告労働者は、被告会社と所定労働時間を1日8時間とする期間の定めのない雇用契約を締結しましたが、契約書や労働条件通知書は作成されておらず、その他の労働条件には争いがありました。  原告が応募した会社の求 […]

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Case340 提訴記者会見における発言の名誉毀損を検討する際には、まず訴状の請求原因事実の記載と合致する限度で真実かどうかを検討すべきであるとした事案・協同組合グローブ事件・熊本地判令4.5.17労経速2495.9

(事案の概要) 1 本訴(残業代及び損害賠償請求)  外国人技能実習制度の管理団体である被告協同組合において、外国人技能実習生の指導員として勤務していた原告労働者が残業代請求した事案です。  原告は、実習実施者への訪問・ […]

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Case338 時間管理されていなかった大学教員についてパソコンのログイン・ログアウト時刻から労働時間を算定し、遡っての欠勤控除を否定した事案・学校法人目白学園事件・東京地判令4.3.28労経速2491.17

(事案の概要)  被告法人が設置する大学で講師をしていた原告労働者の雇止めが有効とされた事案ですが、残業代請求が認められています。  法人は、原告の労働時間管理を何らしていなかったため、原告は、パソコンのログイン時刻とロ […]

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Case334 オフィスビルの入退室記録から始業時刻及び終業時刻を推認し残業代請求を認容した事案・クレディ・スイス事件・東京地判令4.4.12労判1292.55

(事案の概要)  整理解雇が有効とされた事案ですが、原告労働者の被告会社に対する残業代請求が認められています。  会社は、原告がヴァイス・プレジデントであり、就業規則上エグゼンプト社員に位置付けられるから、賃金規程により […]

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Case322 打刻時の位置情報を把握できるシステムの導入により直行直帰のMRの労働時間を算定できるようになったとして事業場外みなし制が無効とされた事案・セルトリオン・ヘルスケア・ジャパン事件・東京高判令4.11.16労判1288.81

(事案の概要)  原告労働者は、製薬会社である被告会社でMRとして営業の職務に従事し、自宅と営業先を直行直帰していました。  会社が導入した勤怠管理システム(本件システム)では、出退勤の打刻時点における従業員の位置情報を […]

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Case321 就労時間中に従業員引き抜きの準備行為をしたことを理由とする懲戒処分がいずれも無効とされた事案・不動技研工業事件・長崎地判令4.11.16労判1290.32

(事案の概要)  社外の人間であるAは、被告会社の従業員を引き抜き、被告会社と競業する業務を行う新会社を設立することを計画していました。  原告ら労働者3名は、Aの計画に加担したとして、原告1(課長職)は懲戒解雇、原告2 […]

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