残業代

今日の労働裁判例
Case490 売上の10%の残業手当が時間外労働等の対価として支払われたものとは認められないとされた事案・久日本流通事件・札幌地判令5.3.31労判1302.5

(事案の概要)  長距離トラックドライバーである原告労働者が、被告会社に対して残業代請求した事案です。  会社の賃金規程では、残業手当は、基本給+諸手当に一定の乗率および労働時間を乗じたものとされていましたが、実際には売 […]

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Case475 バス乗務員が始発まで折り返し場所で待機している時間が労働時間に当たるとされた事案・させぼバス事件・福岡高判令5.3.9労判1300.5

(事案の概要)  路線バスの乗務員である原告労働者ら16名が、被告会社に対して残業代請求等をした事案です。主に以下の点が争点となりました。 ・中休勤務をした場合に労働時間の長短にかかわらず、1回の勤務につき一律240円支 […]

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Case469 グループホームにおける生活支援員の宿泊時間が全体として労働時間に当たるとされた事案・社会福祉法人A会事件・千葉地判令5.6.9労判1299.29

(事案の概要)  原告労働者は、被告法人が経営する4か所のグループホームにおいて、入居者の生活支援の業務を行っていました。  原告の勤務形態は、午後3時から午後9時まで勤務し、そのまま施設に宿泊し、翌午前6時から午前10 […]

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Case442 院内連絡用PHSを常に携帯し休憩時間がなかったとして研修医の残業代請求及び労災損害賠償請求が認められた事案・医療法人社団誠馨会事件・千葉地判令5.2.22労判1295.24

(事案の概要)  原告労働者は、被告法人が開設する病院で後期研修医として勤務し、多い時期には月100時間以上の時間外労働をし(判決の認定ベース)、適応障害を発症し休職しました。  原告の雇用契約では、臨時日・当直及び時間 […]

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Case435 主任ケアマネージャーを管理監督者と扱い残業代を支払わなかったことについて代表取締役の重過失を認定して損害賠償責任を認めた事案・そらふね元代表取締役事件・名古屋高金沢支判令5.2.22労判1294.39

(事案の概要)  原告労働者は主任ケアマネージャーとして本件会社に勤務していましたが、本件会社が居宅介護支援事業を廃止することとし原告も退職しました。その後、本件会社は解散しました。  原告は、本件会社で管理監督者扱いさ […]

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Case428 2つの会社が実質的に同一であるとして法人格否認の法理を適用するとともに未払賃金について会社法429条の取締役の責任を認めた事案・エヌアイケイほか事件・大阪高判令5.1.19労判1289.10

(被告ら略称) Y1社 ㈱エヌアイケイ(平成30年3月設立) Y2社 コミュニケーションズネットワーク㈱(令和元年6月設立) Y3 乙山(Y1代表取締役、Y2取締役) Y4 丁原(Y1取締役、Y2取締役) Y5 丙川(Y […]

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Case413 定年後再雇用の嘱託社員に精勤手当を支給しないことが旧労契法20条の不合理な格差に当たるとした最高裁判例・長澤運輸事件・最判平30.6.1労判1179.34

(事案の概要)  原告ら労働者は、定年後再雇用(嘱託社員)で被告会社と有期雇用契約を締結し、定年前に引き続きパラセメントタンク車の乗務員として勤務していました。正社員と嘱託社員で、乗務員の業務内容やその変更の範囲等は変わ […]

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Case386 派遣旅行添乗員につき派遣先旅行会社の指揮監督が及んでいるとして事業場外みなし制の適用が否定された事案・阪急トラベルサポート(派遣添乗員・第3)事件・東京高判平24.3.7労判1048.26

(事案の概要)  原告労働者らは、被告会社に登録型派遣社員として雇用され、旅行会社A社に派遣されて国内外旅行ツアーの添乗員として業務に従事していました。  原告らの添乗業務は、最終日程表、指示書、行程表に沿って行われ、ツ […]

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Case379 料理長の手待ち時間が労働時間に当たるとされ36協定がないことや実態と乖離していることから職務手当が対価性を欠き固定残業代に当たらないとされた事案・サン・サービス事件・名古屋高判令2.2.27労判1224.42

(事案の概要)  原告労働者は、被告会社の経営するホテルの飲食店で料理長として働いていました。会社作成の労働条件提案書には勤務時間として「6時30分~22時」「休憩時間は現場内で調整してください」と記載されていましたが、 […]

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Case377 対価性の判断基準を示して業務手当が固定残業代に該当するとした最高裁判例・日本ケミカル事件・最判平30.7.19労判1186.5

(事案の概要)  被告会社が経営する薬局で薬剤師として勤務していた原告労働者が残業代請求した事案です。  本件雇用契約書には、賃金について「月額56万2500円(残業手当含む)」「給与明細書表示(月額給与46万1500円 […]

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