自由な意思

今日の労働裁判例
Case423 公務員が病気休暇中に上司から示されて提出した退職願が、自由な意思に基づかず無効であるとされた事案・栃木県・県知事(土木事務所職員)事件・宇都宮地判令5.3.29労判1293.23

(事案の概要)  原告労働者は、平成3年に栃木県知事によって被告栃木県の技術吏員に任命され、県内の土木事務所で勤務していましたが、平成27年から双極性感情障害を理由に180日間の病気休暇を取得し、478日間休職し、平成2 […]

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Case397 産後休業中の労働者を退職扱いして育児休業の取得を妨げたことに対して雇用契約上の地位確認及び慰謝料200万円の慰謝料等を認めた事案・医療法人社団充友会事件・東京地判平29.12.22労判1188.56

(事案の概要)  原告労働者(女性)は、被告法人が開設する歯科クリニックにおいて歯科衛生士として勤務していました。  原告は、第1子を出産し、産後休業に入りました。その後まもなく、法人の理事長から原告に対して「復帰の時期 […]

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Case383 賃金減額への同意のうち既発生の賃金債権を放棄する部分が自由な意思に基づかないとして無効とされた事案・北海道国際航空事件・最判平15.12.18労判866.14

(事案の概要)  原告労働者は、被告会社の社長付き担当部長として月額70万円の給与を得ていました。  会社は、経営不振により北海道議会から約20億円の支援を受け、自助努力として課長以上の役職者の賃金を減額が不可避となりま […]

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Case371 労働者を退職に追い込む目的で行われた減給措置及び配転命令が無効とされ、横領を認める確認書に署名させられたことをもって労働者が横領を認めたとはいえないとされた事案・Ciel Bleuほか事件・東京地判令4.4.22労判1286.26

(事案の概要)  原告労働者は、被告会社と雇用契約を締結し、本社(東京)で営業の部長職として業務を行っていました。  原告は、被告執行役員と面談し、原告の素行が問題であるとして部長職から課長職に降格され、これに伴い月額給 […]

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Case368 使用者が実態と異なることを理由に就業規則の拘束力を否定することは許されず、出来高払制とされていたトラックドライバーにも日給月給制を採用する就業規則が適用されるとした事案・大島産業事件・福岡高判平31.3.26労経速2393.24

(事案の概要)  原告労働者は、被告会社で長距離トラックドライバーとして勤務していました。  会社は本件就業規則作成時には土木工事業のみを営んでおり、従業員の賃金体系を日給月給制としていました。しかし、その後始めた運送業 […]

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Case362 雇用契約書等が作成されていない場合に求人広告の内容での賃金合意を推認し諸手当が固定残業代に当たらないとした事案・東京港運送事件・東京地判平29.5.19労判1184.37

(事案の概要)  原告労働者は、被告会社と所定労働時間を1日8時間とする期間の定めのない雇用契約を締結しましたが、契約書や労働条件通知書は作成されておらず、その他の労働条件には争いがありました。  原告が応募した会社の求 […]

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Case311 月131時間14分相当の固定残業代の定めが公序良俗に違反し無効であるとされた事案・木の花ホームほか1社事件・宇都宮地判令2.2.19労判1225.57

(事案の概要)  本件は、原告労働者が、被告会社ら(転籍前後に2社)に対して、固定残業代及び変形労働時間制の無効を主張して残業代請求した時間です。  被告らでは、職務手当が月131時間14分相当の固定残業代であるとされて […]

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Case285 労働契約が解除され在留資格が取り消されるおそれがある中で行われた賃金減額への同意が自由な意思に基づかず無効であるとされた事案・カワサキテクノリサーチ事件・大阪地判令4.7.22

(事案の概要)  外国人である原告労働者は、勤務成績及び勤務態度に問題があるとして、被告会社より正社員からアルバイトへの変更を打診されました。原告は、在留資格の関係上アルバイトになることはできないとしてこれを断りました。 […]

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Case277 タイムカードで時間管理されていた営業職員について事業場外みなし制の適用が否定された事案・ヨツバ117事件・大阪地判令4.7.8

(事案の概要)  原告労働者は、被告会社において営業職として外回りをしていましたが、就業規則において始業・終業時のタイムカードの打刻が義務付けられており、実際に原告は多くの日にタイムカードに打刻していました。  また、原 […]

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Case275 雇用契約時の固定残業代の合意につき明確区分性を否定して無効としその後の固定残業代の合意も自由な意思に基づくものでないとして無効とした事案・酔心開発事件・東京地判令4.4.12労判1276.54

(事案の概要)  原告労働者は、被告会社が経営する飲食店で料理長として勤務していました。  平成22年に雇用契約時に締結した雇用通知書には、給与について、休日手当ならびに深夜にかかる割増分を含み総額で月24万円とする旨が […]

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