Case408 有期雇用では契約期間内の雇用継続及び賃金債権の維持への期待が高いとして休業手当との差額賃金の支払いが認められた事案・いすゞ自動車(雇止め)事件・東京高判平27.3.26労判1121.52

(事案の概要)

 被告会社の工場で臨時従業員ないし派遣労働者として勤務していた原告労働者らが、リーマンショックによる経済不況に伴い雇止めされた事案で、雇止め自体は有効とされました。

 雇止めに先立ち、会社は、原告らを含む臨時従業員に対して、特別退職金として契約期間満了日までの間の労働日につき平均賃金の85%を支払う代わりに合意退職するよう求めましたが、原告らはこれを拒絶しました。

 会社は、合意退職に応じなかった原告らに対して、それぞれの契約期間満了日まで休業扱いとし、平均賃金の6割の休業手当のみを支給しました。

 原告らは、会社に対して、休業手当しか支払わないのは不当であるとして、契約期間満了日までの差額賃金の支払いを求めました。

(判決の要旨)

 判決は、休業措置の必要性を肯定したうえ、原告らのうち有期契約の臨時従業員について、有期雇用では当該契約期間内の雇用継続およびそれに伴う賃金債権の維持については期待が高く、その期待は合理的なものと評価すべきであるとしました。加えて、原告ら臨時従業員は、雇用期間内での昇給、昇進等はなく、固定された賃金を目的として短期間の期間労働契約を締結、更新しており、その労働期間も最短2か月から最長6か月と極めて短期間であって不安定な雇用状態を余儀なくされていることにも鑑みれば、臨時従業員が契約により定められた雇用期間中の賃金債権の維持についての期待は保護されなければならないとして、民法536条2項により、休業手当との差額賃金の支払いを認めました。

※上告

Follow me!