2024年5月

今日の労働裁判例
Case507 医師をすべての臨床担当から外したことが病院の合理的な裁量の範囲を逸脱した違法な差別的処遇に当たるとされた事案・学校法人兵庫医科大学事件・大阪高判平22.12.17労判1024.37新着!!

(事案の概要)  原告労働者は、15年以上勤務医としての他院で働き、平成2年から被告法人が設置する本件病院において耳鼻咽喉科の医師として勤務していました。  しかし、法人は、平成6年1月から原告に本件病院の診察を一切担当 […]

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解雇事件マニュアル
【解雇事件マニュアル】Q4労基法20条の解雇予告制度とは新着!!

(労基法20条) 使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少くとも三十日前にその予告をしなければならない。三十日前に予告をしない使用者は、三十日分以上の平均賃金を支払わなければならない。但し、天災事変その他やむ […]

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今日の労働裁判例
Case506 解雇予告義務違反の即時解雇の効力につき選択権説に立って労働者の解雇予告手当の請求権を認めた裁判例・宇田工業事件・大阪地判昭60.12.23労判467.74新着!!

(事案の概要)  原告労働者は、昭和57年9月、被告会社から、経営困難に陥り裁判所へ和議申請(民事再生)をしたことを理由に即時解雇され、解雇予告手当も支払われませんでした。  会社は、和議申請の直前の昭和57年5月に退職 […]

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解雇事件マニュアル
【解雇事件マニュアル】Q3解雇規制にはどのようなものがあるか新着!!

1 民法上の原則 民法627条1項は、当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができ、この場合において、雇用は、解約の申入れの日から2週間を経過することによって終了すると定めてお […]

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今日の労働裁判例
Case505 懲戒処分ではない日勤教育について必要かつ相当とはいえず使用者の裁量権を逸脱したものとして違法とされた事案・JR西日本(森ノ宮電車区・日勤教育等)事件・大阪高判平21.5.28労判987.5新着!!

(事案の概要) 1 日勤教育  原告労働組合の組合員である運転士の原告Aは、電車の運転中に停止位置を行き過ぎて自動ブレーキが作動したにもかかわらず、無断でこれを復帰させ、この事実を報告しないまま一旦退社し、午後になって係 […]

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解雇事件マニュアル
【解雇事件マニュアル】Q2解雇にはどのような種類があるか新着!!

1 普通解雇と懲戒解雇 解雇は、大きく普通解雇と懲戒解雇に分けることができる。 普通解雇とは、民法627条1項等に基づく解約の申入れである(『類型別Ⅱ』386頁、菅野ら『労働法』774頁参照)。使用者の(普通)解雇権は民 […]

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解雇事件マニュアル
【解雇事件マニュアル】Q1解雇とは何か

1 解雇とは 解雇とは、使用者の一方的な意思表示による労働契約の解約をいう(水町『詳解労働法』992頁)。 解雇は、労働契約の終了事由 の一つである。解雇は、使用者の一方的な意思表示である点で辞職や合意解約と区別され、確 […]

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今日の労働裁判例
Case504 業務に起因する精神疾患を発症した状況で送信された上司及び取引先に対するメールを理由とする降格処分が無効とされた事案・セントラルインターナショナル事件・東京高判令4.9.22労判1304.52

(事案の概要)  原告労働者の上司であるA部長は、昼前に出勤することや早い時間に退社することが多かったため、原告は、A部長の勤務態度についてA部長や専務に抗議するなどしていました。  しかし、特別改善等が見受けられず、A […]

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今日の労働裁判例
Case503 配車係がけん引運転手に対して出張手当等が付く配車を止めたことが合理的な裁量を逸脱し違法であるとされた事案・向島運送ほか事件・横浜地判令5.3.3労判1304.5

(事案の概要)  原告労働者は、被告会社においてけん引運転手として勤務していました。  原告は、被告配車係の決定に従い、出張手当及び早出手当が付く配車(出張等配車)を受け、両手当を合計して月平均約13万円の手当を受けてお […]

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