2022年7月

今日の労働裁判例
Case165 客観的・具体的・合理的な査定基準の合意がないことから会社には年俸額を査定する権限がないとして年俸減額を無効とした事案・学究社(年俸減額)事件・東京地判令4.2.8労判1265.5

(事案の概要)  担当事件です。以下はあくまで裁判所が認定した事実をまとめたものです。  原告労働者らは、被告会社が経営する進学塾で年俸制の講師として就業していました。会社の給与規程には、年俸額について、会社が社員と個別 […]

続きを読む
今日の労働裁判例
Case164 組合が守秘義務条項などに同意することを団体交渉開催の条件とすることが正当な理由のない団交拒否に当たるとした事案・ 国・中労委(アート警備)事件・東京高判令2.8.20労判1262.37

(事案の概要)  会社が提起した、不当労働行為救済命令に対する取消訴訟です。  本件労働組合は、原告会社に対して3度の団体交渉を申し入れました。しかし、会社は、組合が①団体交渉の内容その他団体交渉に関する情報の一切を秘密 […]

続きを読む
今日の労働裁判例
Case163 トイレに散布された殺菌剤の原液を拭き取る作業による化学物質過敏症の発症につき業務起因性を認めた事案・国・岩見沢労基署長(元気寿司)事件・札幌高判令3.9.17労判1262.5

(事案の概要)  労災不支給決定等に対する取消訴訟です。  原告労働者は、トイレに散布された殺菌剤の原液を拭き取る作業を開始した約30分後に頭痛、吐き気、めまいなどを訴え、「塩素の吸入」「塩素ガス中毒」「化学物質過敏症」 […]

続きを読む
今日の労働裁判例
Case162 完全予約制の美容院にて予約が入っていない時間に従業員が業務を行っていない時間が相当程度あるからといって労働から解放されていたとは言えないとした事案・ルーチェほか事件・東京地判令2.9.17労判1262.73

(事案の概要)  美容師である原告労働者は、被告会社の経営する美容院で働いていました。原告と会社との雇用契約は月給制であるものの所定労働時間や休憩時間は定められておらず、原告は店舗の営業時間に勤務していました。  原告は […]

続きを読む
今日の労働裁判例
Case161 労働者の退職の意思表示はその経緯等を踏まえて労働者の自由な意思に基づくものでなければならないとして退職合意を無効とした事案・グローバルマーケティングほか事件・東京地判令3.10.14労判1264.42

(事案の概要)  原告労働者は、被告会社で基本給30万円+歩合給の美容師として働いていましたが、会社は、原告の給与を基本給25万円+歩合給に変更しました。被告代表者は、減給に先立ち、全従業員が参加するミーティングにおいて […]

続きを読む
今日の労働裁判例
Case160 変形労働時間制における勤務指定を使用者が任意に変更し得る旨の規定は「特定」の要件を満たさず無効であるとした事案・JR西日本(広島支社)事件・広島高判平14.6.25労判835.43【百選10版37】

(事案の概要)  鉄道会社である被告会社は、運転士である原告労働者らにつき労基法32条の2に基づく1か月単位の変形労働時間制を採用しており、就業規則には、従業員の勤務につき、「毎月25日までに翌月分を指定する」こと、「た […]

続きを読む
今日の労働裁判例
Case159 育休明けの時短勤務のために有期雇用への転換が必要であるとの説明に基づいてされた有期雇用契約書への署名が自由な意思に基づかず無効であるとされた事案・フーズシステムほか事件・東京地判平30.7.5労判1200.48

(事案の概要)  原告労働者(女性)は、無期雇用の事務統括として被告会社で働いていました。原告は、育児休暇からの復帰にあたり時短勤務を希望しましたが、会社は勤務時間を短縮するにはパート社員になるしかないと虚偽の説明をしま […]

続きを読む
今日の労働裁判例
Case158 無期雇用契約から有期雇用契約への労働条件変更に対する労働者の同意は自由な意思に基づくことが必要であるとした事案・社会福祉法人佳徳会事件・熊本地判平30.2.20労判1193.52

(事案の概要)  原告労働者は、NPO法人と無期雇用契約を締結していましたが、NPO法人から被告法人に対する事業移管に伴い、被告法人と雇用契約を締結しました。  原告が被告法人で就労を開始した後に、被告法人は原告に対して […]

続きを読む
今日の労働裁判例
Case157 2年前の職務怠慢を理由に給与を自主返納する旨の念書による賃金放棄が労働者の自由な意思に基づくものとはいえないとされた事案・ジー・イー・エス事件・大阪地判平31.2.28

(事案の概要)  メンテナンス作業の責任者であった原告労働者は、メンテナンス作業の不手際を契機に被告会社が取引先から契約を打ち切られ、損害賠償請求訴訟を提起されたことに関して、当該事件の2年後に「私は、自らの職務怠慢で、 […]

続きを読む
今日の労働裁判例
Case156 違法な配転命令が労働者の同意によって有効となるためには、その瑕疵を拭い去るほどの自由意思に基づく同意であることを要するとした事案・KSAインターナショナル事件・京都地判平30.2.28労判1177.19

(事案の概要)  原告労働者は、定年後再雇用の嘱託社員として経営管理本部A監査室長を務めていましたが、経営管理本部部長付参事に異動する旨の配転命令1がされ、さらに関西営業本部B事業部参事に異動する旨の配転命令2が行われま […]

続きを読む