2023年6月

今日の労働裁判例
Case350 パチンコ店のホールスタッフが入社に当たり風俗店での勤務歴を申告しなかったことを理由とする懲戒解雇が無効とされた事案・岐阜地判平25.2.14ジュリスト1464.124

(事案の概要)  原告労働者(女性)は、被告会社と有期雇用契約を締結してパチンコ店のホールスタッフのアルバイトとして勤務していました。  原告は、過去に風俗店で勤務していたことを履歴書に書いていませんでした。会社は、後に […]

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Case349 大学教授が教授会へ出席すること及び講義を担当することは権利であるとして教授会への出席に対する妨害排除請求が認められた事案・学校法人栴檀学園事件・仙台地判平11.12.22判時1727.158

(事案の概要)  原告労働者ら3名は、被告法人が設置する本件大学で教授ないし助教授として勤務していましたが、法人から、「教授会の構成員として不適格であるので当分の間教授会への出席を停止する」として本件出席停止処分を、「教 […]

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Case348 特別の事情がない限り全教員を毎年度少なくとも1号俸ずつ定期昇給させる労使慣行があったとして差額賃金の請求が認められた事案・学校法人明泉学園事件・東京地判令元.12.12労経速2417.3

(事案の概要)  被告法人が運営する本件高校では、期間の定めのない専任教諭と、期間の定めのある常勤講師がいました。  原告労働者は、平成3年に法人と本件労働契約を締結し、国語科の常勤講師として勤務していましたが、平成30 […]

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Case347 視覚障害等を理由に教員に授業を担当させず学科事務のみを担当させることとする配転命令を無効とした事案・学校法人原田学園事件・広島高岡山支判平30.3.29労判1185.27

(事案の概要)  原告労働者は、被告法人が運営する本件短大で専任准教授として生物学などの複数の授業を担当していました。  法人は、原告の視覚障害等を理由に、新たに採用した教員に原告が行っていた授業を担当させ、原告には授業 […]

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Case346 大学教授の他の学部への配転命令権を否定しA学部教授として勤務する地位の確認を認めた事案・学校法人追手門学院(追手門学院大学)事件・大阪地判平27.11.18労判1134.33

(事案の概要)  原告労働者は、被告法人の設置する本件大学でA学部教授として勤務していました。  原告は、立候補のない学長選挙を経て、本件大学の学長を命じられました。本件大学では、教授から学長に就任した者は、出身学部の教 […]

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Case345 運行時間外手当の固定残業代性を否定し、これを有効として給付基礎日額を算定した労災支給決定を取り消した事案・国・所沢労基署長(埼九運輸)事件・東京地判令4.1.18労判1285.81

(事案の概要)  原告労働者は、本件会社における月平均約100時間を超える長時間労働が原因で狭心症を発症しました。労基署は、原告の狭心症の発症につき労災支給決定をし、給付基礎日額を増額する変更決定をして改めて支給決定(本 […]

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Case344 使用者が年金事務所等に対して過去の雇用関係の存在を否定していたことから過去の雇用関係の存在について確認の利益が認められた事案・医療法人社団創恵会事件・東京地判平28.8.30労判1157.83

(事案の概要)  原告労働者ら4名は、過去に被告法人に雇用されていましたが、法人がハローワークや年金事務所に対して原告らとの過去の雇用関係の存在を否定し、既払いの保険料の還付手続きを申し立てるなどしていました。  本件は […]

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Case343 退職金債務について賃金債務と異なり使用者の営業所が義務履行地となる理由はないとして労働者の住所地に退職金請求権の管轄を認めた事案・栃木県厚生農業協同組合連合会事件・東京高決昭60.3.20東高民報36.3.40

(事案の概要)  事案の詳細は不明ですが、おそらく退職した労働者から労働者の住所地を管轄する裁判所に退職金請求訴訟を提起された本件組合が、退職金債務の義務履行地は使用者の営業所であると主張して、営業所を管轄する裁判所への […]

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Case342 自宅を拠点に勤務していた労働者に対する賃金債務につき義務履行地が労働者の住所地であるとして同地に管轄を認めた事案・パールシステムズ事件・大阪高決平10.4.30判タ998.259

(事案の概要)  東京に本店を構える本件会社と雇用契約を締結していた本件労働者は、西日本営業部長の肩書で神戸市内の自宅の一室を拠点として働いており、給料は振込みでした。  本件労働者は、会社に解雇されたため、解雇無効確認 […]

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Case341 未払金に付帯してされた付加金請求の額は訴額に算入しないとした最高裁判例・手数料還付申立て却下決定に対する抗告棄却決定に対する許可抗告事件・最決平27.5.19民集69.4.635

(事案の概要)  本件労働者は、使用者に対する本案訴訟において、労基法26条の休業手当とともにこれに係る労基法114条の付加金を請求しました。その際、本件労働者は、裁判所に付加金請求に係る手数料として4万8000円を納付 […]

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