2024年1月

今日の労働裁判例
Case466 定年後再雇用の嘱託職員に年末年始及び夏期休暇を一切付与しないことが旧労契法20条の不合理な格差に当たるとされた事案・社会福祉法人紫雲会事件・東京高判令5.10.11

(事案の概要)  障害者支援施設を経営する被告法人で支援員として勤務していた原告労働者は、定年退職後、法人に有期の嘱託職員として定年後再雇用されました。  正規職員と嘱託職員とでは、嘱託職員に昇格が予定されていない以外に […]

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今日の労働裁判例
Case465 国労マークの入ったベルトの着用が「胸章、腕章等」の着用を禁止する就業規則に違反しないとして就業規則の書き写しを命じた教育訓練を違法とした事案・JR東日本(本荘保線区)事件・仙台高秋田支判平4.12.25労判690.13

(事案の概要)  国鉄労働組合(国労)の組合員であった原告労働者は、被告会社において、国労マークの入ったベルト(いわゆる国労グッズの一つ)を着用して業務を行っていたところ、被告区長から、ベルトの着用が就業規則に違反すると […]

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今日の労働裁判例
Case464 試用期間から本採用となり地位や仕事の量・質が変化した後の長時間労働を総合評価して適応障害発症及び自殺の業務起因性を認めた事案・青森三菱ふそう自動車販売事件・仙台高判令2.1.28労判1297.147

(事案の概要)  本件労働者は、平成27年4月に被告会社に入社し自動車整備等の業務に従事していました。同年6月までは試用期間として中堅社員の下で整備を行っていましたが、同年7月以降は一人で整備を行うようになりました。また […]

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逐条解説労働基準法
労働基準法第10条 定義(使用者)

第十条 この法律で使用者とは、事業主又は事業の経営担当者その他その事業の労働者に関する事項について、事業主のために行為をするすべての者をいう。 ~解説~ ⑴ 労基法の多くの条文で義務者となる「使用者」の定義を定めた条文で […]

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逐条解説労働基準法
労働基準法第11条 定義(賃金)

第十一条 この法律で賃金とは、賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何を問わず、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのものをいう。 ~解説~ ⑴ 「労働の対償」とは、労働者が使用従属関係のもとで行った労働に対して、 […]

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逐条解説労働基準法
労働基準法第9条 定義(労働者)

(定義)第九条 この法律で「労働者」とは、職業の種類を問わず、事業又は事務所(以下「事業」という。)に使用される者で、賃金を支払われる者をいう。 ~解説~ ⑴ 「事業」は、継続的活動を広く含み、営利目的の有無を問いません […]

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逐条解説労働基準法
労働基準法第8条 削除

第八条 削除 ~解説~  かつて労基法の適用を受ける事業の範囲を列記して規定していましたが、平成10年改正により適用事業の列記方式は廃止され、本条は削除されました。

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逐条解説労働基準法
労働基準法第7条 公民権行使の保障

(公民権行使の保障)第七条 使用者は、労働者が労働時間中に、選挙権その他公民としての権利を行使し、又は公の職務を執行するために必要な時間を請求した場合においては、拒んではならない。但し、権利の行使又は公の職務の執行に妨げ […]

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今日の労働裁判例
Case463 放送会社と自由出演契約を締結している管弦楽団員について労組法上の労働者性を肯定した最高裁判例・中日放送管弦楽団事件・最判昭51.5.6労判252.27

(事案の概要)  原告労働組合は、放送会社である本件会社に対して、会社と自由出演契約を締結していた楽団員についての団体交渉を申し入れましたが、会社はこれを拒否していました。  組合は労働委員会に不当労働行為救済申立をしま […]

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今日の労働裁判例
Case462 入社直後に精神障害等級3級であることのみを理由としてなされた退職勧奨が不法行為に当たるとして慰謝料80万円が認められた事案・中倉陸運事件・京都地判令5.3.9労判1297.124

(事案の概要)  精神障害等級3級の認定を受けている原告労働者は、職務経歴書に「健康状態は良好ではあるものの持病がある為、月に1日通院しております。」と記載し、うつ病の診断書を提出したうえで被告会社に雇用され令和2年8月 […]

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