2022年1月

今日の労働裁判例
Case59 具体的事情の下でトランスジェンダーの職員に対する女性トイレの使用制限を違法とした最高裁判例・国・人事院(経産省職員)事件・最判令5.7.11労判1297.68

(事案の概要)  原告は、経済産業省に勤務する国家公務員で、戸籍上の性別(男性)は変更していないトランスジェンダーです。原告は、幼少期から自己の性別に強い違和感を抱き、平成10年頃から女性ホルモンの投与を受けるようになり […]

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今日の労働裁判例
Case58 退職後の競業避止義務を定める合意を一部無効とした事案・レジェンド元従業員事件・福岡高判令2.11.11労判1241.70

(事案の概要)  本件は、保険代理店業務を行う原告会社が、元従業員である被告労働者に対して、競業避止義務違反等を理由に損害賠償請求した事案です。  原告会社は、代表取締役が個人事業として経営していた同業のA社が法人化した […]

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今日の労働裁判例
Case57 元代表取締役につき未払残業代約1000万円相当の損害賠償責任を認めた事案・エイシントラスト元代表取締役事件・宇都宮地判令2.6.5労判1253.138

(事案の概要)  原告は、会社を退職後、会社を被告として残業代請求訴訟を提起し、被告の欠席判決により、会社に約1000万円の支払を命じる判決が確定しました。  しかし、判決確定後も会社が残業代を支払わないため、原告が会社 […]

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今日の労働裁判例
Case56 過労自殺につき会社と社長の不法行為責任が認められた事案・日和住設ほか事件・札幌地判令3.6.25労判1253.93

※本件は控訴審において遺族らと会社らとの間で和解が成立したことにより終結しているようです。 (事案の概要)  過労自殺に関する会社及び社長に対する損害賠償事案です。  被災者は、約5か月間被告会社で暖房設備工事の業務に従 […]

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フリーランス
フリーランスに適用される法律

1 はじめに  フリーランスは事業者ですが、個人であることから発注者との関係において不利な立場に立たされることも少なくありません。  フリーランスを保護する法律にはどのようなものがあるのでしょうか。その概要を確認しておき […]

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今日の労働裁判例
Case55 シフト労働者について勤務実態から所定労働日数の合意を週4日間と認定した事案・ホームケア事件・横浜地判令2.3.26労判1236.91

(事案の概要)  原告は、「週5日程度」「業務の状況に応じて週の出勤日を決める」と記載された雇用契約書に基づき、訪問介護施設の送迎業務に従事していたシフト労働者です。  本件は、原告が被告に対して、週の所定労働日数が5日 […]

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今日の労働裁判例
Case54 偽装請負による派遣法40条の6の直接雇用を認めた裁判例・東リ事件・大阪高判令3.11.4労判1253.60

(事案の概要)  原告らは、被告会社と請負契約を締結しているA社の従業員として、被告会社の工場で働いていました。  労働者派遣法(派遣法)40条の6第1項5号は、派遣法の適用を免れる目的で、請負その他労働者派遣以外の名目 […]

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Case53 団体交渉に所長及び代理人弁護士のみを出席させ資料を開示しなかったことが不誠実団交に当たるとされた事案・国・中労委(長澤運輸・団交)事件・東京高判令3.1.28労判1241.35

(事案の概要)  中央労働委員会(中労委)の不当労働行為救済申立に対して会社が起こした取消訴訟です。  労働組合と会社との間の別件不当労働行為救済申立事件において「会社は、組合に対して、労働条件につき、会社の代表者ないし […]

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今日の労働裁判例
Case52 組合員に対する復職拒否及び団体交渉での不誠実な対応が不当労働行為に当たるとされた事案・国・中労委(学校法人神奈川歯科大学)事件・東京地判令2.6.26労判1237.53

(事案の概要)  中央労働委員会がした不当労働行為救済命令に対する法人による取消訴訟です。  労働組合員である労働者が、多発性硬化症の所見が認められたことを法人に報告したところ、法人は、確定診断が出ているわけではないにも […]

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Case51 27項目の業務ミス及び1項目のセクハラ行為が認定されたものの解雇は無効とされた事案・みずほビジネスパートナー事件・東京地判令2.9.16労判1238.56

(事案の概要)  原告(男性)は、平成30年8月、36項目の業務ミス及び7項目の非違行為(セクハラ)を理由に解雇されました。原告は、平成27年に窃盗を理由に7日間の出勤停止処分、平成29年にセクハラを理由に2週間の出勤停 […]

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