Case54 偽装請負による派遣法40条の6の直接雇用を認めた裁判例・東リ事件・大阪高判令3.11.4労判1253.60

(事案の概要)

 原告らは、被告会社と請負契約を締結しているA社の従業員として、被告会社の工場で働いていました。

 労働者派遣法(派遣法)40条の6第1項5号は、派遣法の適用を免れる目的で、請負その他労働者派遣以外の名目で契約を締結し(いわゆる偽装請負)、所定の事項を定めずに労働者派遣の役務の提供を受けることを禁止していて、受入業者がこれに違反した場合には、受入業者から派遣労働者に対して、直接雇用の申込みをしたものとみなされます。

 本件は、原告らが、A社と被告会社の関係が偽装請負であると主張して被告会社との直接雇用を求めた事案です。

(判決の要旨)

一審判決

 一審は、A社と被告会社の関係が偽装請負に当たらないとしました。

控訴審判決

 控訴審は、厚労省の「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準を定める告示」を参照し、使用者であるA社が業務の遂行方法に関する指示その他管理を自ら行っていないこと、A社が労働時間を管理していなかったこと、A社の従業員が有給休暇を取得する際、A社ではなく被告会社に連絡していたこと、A社が被告会社から請け負った業務を被告会社から独立して処理していたものとはいえないこと等から、A社と被告会社の関係が請負とはいえないとし、偽装請負状態を認めました。

 また、日常的かつ継続的に偽装請負等の状態を続けていたことが認められる場合には、特段の事情がない限り、偽装請負等の目的があったと推認するのが相当であるとし、被告会社に偽装請負等の目的があったとし、被告会社との直接雇用を認めました。

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