Case262 てんかんの障害を有することを前提に雇用された労働者について勤務意欲が低いなどの理由でされた解雇が無効とされた事案・スミヨシ事件・大阪地判令4.4.12

(事案の概要)

 てんかんの障害や足に交通事故の後遺症を抱えていた原告労働者は、障害者を対象とする説明会をきっかけに平成30年11月に被告会社と無期雇用契約を締結し、鉄道車両等の断熱材の貼付作業等に従事していました。

 原告は、無遅刻無欠席で勤務し、3か月の試用期間を満了しましたが、作業スピードが遅いと周りから急かされているように感じ、てんかんの発作が起きる頻度が高くなっており、ハローワークに相談して会社に配慮を求めていました。また、これに関連して、現場で他の従業員と口論になることもありました。

 会社は、令和元年6月、協調性の欠如や勤務意欲が低いなどの理由で原告を解雇しました。

 本件は、原告が解雇の無効を主張して、雇用契約上の地位確認等を求めた事案です。原告は慰謝料請求もしていましたが否定されています。

(判決の要旨)

 判決は、原告が他の従業員が不快に感じる言動をした事実はあるものの、てんかんを抱える中で回りから作業スピードを求められるなど原告が置かれた状況からするとやむを得ないものであるとして、協調性が欠如しているとまではいえないとしました。

 また、本件雇用契約は原告がてんかんの障害等を抱えていることを前提とするものであるところ、原告の作業スピードがなかなか向上しない点はあったものの、原告が無遅刻無欠席であることや、断熱作業に関するメモを作成してことなどからすると、原告の勤務意欲が低いとはいえないとして、本件解雇を無効としました。

 バックペイの中身として、原告が無遅刻無欠席であったことから皆勤手当の支払いも認められました。

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