Case60 施設閉鎖に伴う整理解雇を無効とした事案・ネオユニットほか事件・札幌高判令3.4.28労判1254.28

(事案の概要)

 被告会社は、指定就労継続支援A型事業所として運営していた就労継続支援施設(本件施設)を閉鎖し事業を終了することとし、本件施設のスタッフ及び利用者(知的障害または精神障害を有し、本件会社と労働契約を締結して就労に必要な訓練を受けていた。)を全員整理解雇しました。

 被告会社は、スタッフ及び利用者らに対して平成29年3月30日に解雇予告通知書を交付し、同年4月30日付の解雇及び施設閉鎖を告知しました。スタッフ及び利用者らに対しての説明の機会は、同年4月18日の説明会のみでした。

 本件は、スタッフ2名(スタッフ原告)と利用者8名(利用者原告)が、本件解雇の無効を主張し、逸失利益や慰謝料の支払を求めた事案です。

(判決の要旨)

一審判決

 一審判決は、整理解雇の4要件(要素)のうち、①人員削減の必要性については、直截的に「事業廃止の必要性」を問題とすべきで、①が認められる以上は、②人員削減の手段として整理解雇を選択することの必要性が当然に認められ、③人選の合理性も別途検討する必要はないとし、本件解雇を有効としました。

 もっとも、知的障害や精神障害を負っている各利用者の体調が悪化することのないように障害の特性に応じた配慮を行う義務を怠ったとして、被告会社及び被告代表者に対して利用者原告らに慰謝料各5万円を支払うよう命じました。

 一審判決に対して、スタッフ原告2名と利用者原告4名が控訴しました。

控訴審判決

 控訴審は、①本件施設の閉鎖は不合理とはいえず、人員削減の必要が認められる以上は、③人選の合理性も認められるとしました。

 もっとも、原告らに対する解雇は、④解雇手続きが相当であったとはいえず、②再就職の都合等も考慮した閉鎖時期を決定し、合意退職に応じてもらえるよう調整するなどの解雇回避のための努力が尽くされたともいえないとして、本件解雇を無効とし、原告らに対する逸失利益(最大給与6か月分)及び利用者らに対する慰謝料各30万円の損害賠償を認めました。

Follow me!