Case304 派遣会社から契約更新が確定した旨のメールを受信したことから更新の合理的期待が認められ雇止めが無効とされた事案・グッドパートナーズ事件・東京地判令4.6.22労判1279.63

(事案の概要)

 原告労働者は、人材派遣会社である被告会社と2か月間の有期雇用契約(本件雇用契約)を締結し、介護福祉士として有料老人ホーム(本件施設)に派遣されていました。

 原告は、被告会社から、本件雇用契約が2か月間更新されることが確定した旨の本件メールを受信しました。

 ところがその後、原告が、本件施設で利用者に対する虐待行為があると本件施設の副施設長や行政機関に通報し、被告会社にも報告したところ、被告会社は、原告の契約更新を取り消し、新たな仕事の紹介もしないとして、原告を雇止めしました。

 本件は、原告が被告会社に対して、雇止めの無効を主張して、雇用契約上の地位確認等を求めた事案です。

(判決の要旨)

 判決は、本件メールは本件契約の更新が確定したことを内容とするものであるから、これを受信した原告において、期間満了時点において本件契約が更新されることについて強い期待を抱かせるものであったとして、契約更新の合理的期待があったとし、本件雇止めを無効としました。

 もっとも、更新後の契約期間は2か月であり、その後更に契約が更新される期待まではなかったとして、2か月分の給与請求のみ認容しました。

※控訴

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