Case402 22年以上契約更新してきたアルバイトの契約は無期雇用契約とほぼ同視できるとして労契法19条1号により雇止めを無効とした事案・ジャパンレンタカー事件・名古屋高判平29.5.18労判1160.5

(事案の概要)

 原告労働者は、アルバイトとして平成4年に被告会社と有期雇用契約を締結し、平成20年頃までは6か月に1回契約更新し、平成20年以降は2か月に1回契約更新し、22年以上更新を繰り返していました。

 平成26年10月30日、原告は過労、軽度うつ状態及び睡眠障害の診断を受けて2週間休養し、マネージャーに11月13日から出勤する旨連絡し了承を得ました。しかし、原告が出勤すると、マネージャーから同月20日まで自宅待機を命じられ、同日以降のシフトは追って連絡すると言われました。その後シフトの連絡はありませんでした。

 平成26年12月2日、原告はエリアリーダーなどに呼び出され、平成27年1月20日までなら契約を続けてよいが、いつまた体調を崩されるか分からないのでその後は契約更新しないと告げられました。

 原告は労働組合に加入して会社に雇用継続を求めましたが、平成26年12月20日で雇止めされました。

 本件は、原告が会社に対して雇止めの無効を主張して雇用契約上の地位の確認等を求めた事案です。

 なお、原告は残業代請求もしており、会社の変形労働時間制、固定残業代の主張が否定されています。

 また、社会保険料未加入を理由とする損害賠償請求も一部認められました。

(判決の要旨)

 判決は、原告が22年以上契約更新を繰り返していたこと、業務内容は正社員とそれほど変わらないこと、会社で雇止めされた従業員はいなかったこと、更新手続きが形骸化しており期間経過後に更新手続きがされることもあったことなどから、本件雇用契約は期間の定めのない労働契約とほぼ同視できるものであったとしました(労契法19条1号)。

 そして、会社の主張する原告の職務懈怠や睡眠障害はいずれも雇止めの合理的な理由にはなり得ないとし、雇止めを無効とし地位確認等を認めました。

※確定

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