労働基準法第3条 均等待遇

(均等待遇)
第三条 使用者は、労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由として、賃金、労働時間その他の労働条件について、差別的取扱をしてはならない。

~解説~

⑴ 憲法14条1項は、「すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。」と定めており、本条は当該憲法の趣旨を宣言したものです。

⑵ 本条は、「国籍」「信条」「社会的身分」を理由とした差別を禁止しているのであって、その他性別などを理由とした差別については、他の条文や法律で規定されています。また、その他の差別が民法90条の公序良俗違反により無効とされる場合があります。

⑶ 「国籍」とは、国民たる資格をいい、主に日本人労働者と外国人労働者との取扱いの差異が問題となります。

⑷ 「信条」とは、特定の宗教的又は政治的信念をいいます。本条は、信条そのものを理由とする差別を禁止しているのであって、信条に従って行う行動が企業の秩序維持に対し重大な影響を及ぼすような場合に、その秩序違反行為を理由として差別的取扱いをすることまで禁止しているわけではありません。

⑸ 「社会的身分」とは、生来的な地位をいい、「人種」や「門地」も含まれます。「嘱託社員」などの契約上の地位はこれに含まれません。

⑹ 「理由として」とは、国籍などが差別的取扱いの決定的原因になっていると判断される場合をいい、仮にその他の理由があったとしても、決定的な動機が国籍などであれば本条違反に当たります。

⑺ 「その他の労働条件」には、第1条1項、第2条1項と同様あらゆる労働条件が含まれます。

⑻ 最高裁は、本条は「労働条件」にかかる差別を制限しているのであって、雇用するか否かを制限するものではないとしています(三菱樹脂事件・最判昭48.12.12労判189.16)。

⑼ 本条違反には罰則規定があります(6か月以下の懲役又は30万円以下の罰金、第119条1号)。

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