労働基準法第4条 男女同一賃金の原則

(男女同一賃金の原則)
第四条 使用者は、労働者が女性であることを理由として、賃金について、男性と差別的取扱いをしてはならない。

~解説~

⑴ 歴史的に、男性労働者よりも低位にあった女性労働者の社会的、経済的地位の向上を図る目的で置かれた規定で、憲法14条の趣旨を具体化したものです。

⑵ 「女性であることを理由として」とは、労働者が女性であることのみを理由とすることだけでなく、女性労働者が一般的又は平均的に能率が悪いこと、勤続年数が短いこと、主たる生計の維持者ではないこと等を理由とすることを含みます。

⑶ 本条は「賃金について」の差別を禁止しているのであって、その他の労働条件についての差別的取扱いは男女雇用機会均等法に定められています。

 「賃金」には、賃金額そのものだけでなく、賃金体系、賃金形態等も含み、男性は月給制で女性は日給制のような差別的取扱いも本条違反に当たります。

⑷ 「差別的取扱い」には、不利に扱う場合のみならず有利に扱う場合も含まれます。

⑸ 本条に違反する行為は無効で、差別的取扱いを受けた女性は、男性に支払われた額との差額を請求することができます。

⑹ 本条違反には罰則規定があります(6か月以下の懲役又は30万円以下の罰金、第119条1号)。

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