Case488 客観的証拠がないものも含めコンビニ店員に対する日常的ないじめ・パワハラの事実が認められた事案・コンビニエースほか事件・東京地判平28.12.20労判1156.28

(事案の概要)

 原告労働者は、被告会社がフランチャイジーとして経営するコンビニで働いていました。

 本件は、原告が、被告代表者及び被告店長から以下のような日常的ないじめ・パワハラを受けていたとして会社、被告代表者及び被告店長に対して損害賠償請求した事案です。

①飲み会で被告店長のタバコの火を鼻の頭に押し付けられる状態になることが2回あった

②カラオケ店で被告店長にマイクで10回から20回殴打された

③居酒屋で被告代表者に焼き鳥の串で右手の甲を刺され出血した

④居酒屋で被告代表者に灰皿で頭部を殴打され、被告店長に階段から突き落とされた

⑤店舗で被告代表者に鍋で頭部を数回殴打され、金属製スプーンで手の甲等を複数回殴打され、被告代表者及び被告店長に自転車のチェーンで背中等を殴打された

⑥被告代表者に金属製スプーンで何度も手の甲等を殴打されるなどしたことにより骨折した

⑦店舗で被告代表者に何度もエアガンで撃たれた

⑧被告店長に、実際に金がなくなっていないのに店舗の金がなくなったとして60万円を支払わされた

⑨被告代表者に「同じ事で注意されたりやるべき事伝える事を忘れた場合、殴られる事を誓います」という誓約書を書かされた

⑩被告代表者及び被告店長から、従業員らの飲み会代合計200万円を支払わされた

 会社と被告代表者には当初代理人がついていましたが、代理にが辞任してからは会社と被告代表者は何ら訴訟行為をしませんでした。

 また、被告店長は一度も期日に出席しませんでした。

(判決の要旨)

 被告代表者は、チェーンやスプーンで殴ったことやエアガンで撃ったことなど一部の事実を認めながら、大部分の事実を否認し、原告がありもしない暴行の事実を主張したり暴行の程度を大げさに主張している可能性が大きいと主張しました。

 判決は、原告が全くの虚偽を述べていることをうかがわせるような証拠は見当たらず、むしろ被告代表者はいくつかの件を認めているし、相当数の件については客観的な証拠が存在していて、このようにして認められる事実は、相互の補強し合って、同種同様の内容で、一連一体ともいうべき本件いじめ・パワハラ全体を裏付ける意味をも有するところ、被告代表者自身も、原告に対する暴行があまりに日常化していたために細かな点で思い出せないことがある旨を警察官にのべているほどであり、被告代表者が否認している部分は、被告代表者の記憶が明確でなかったり、混乱しているか、そうでなければ、客観的な証拠から認められる以外は敢えて否認しているものと推認することができるとしました。

 そして、上記のような日常的ないじめ・パワハラの事実を認め、被告らに対して約900万円の損害賠償を命じました。

※確定

Follow me!