【解雇事件マニュアル】Q46不当労働行為としての解雇の禁止とは

 労組法7条1号は、使用者が、労働者が労働組合の組合員であること、労働組合に加入し、もしくはこれを結成しようとしたこともしくは労働組合の正当な行為をしたことの故をもって、当該労働者を解雇し、その他これに対して不利益な取扱いをすることを不当労働行為(不利益取扱い)として禁止している。

 同条1号の不利益取扱いの要件は、①労働者が労働組合の組合員であること、労働組合に加入し、もしくはこれを結成しようとしたこともしくは労働組合の正当な行為をしたこと、②使用者が当該労働者に不利益な取扱いをしたこと、③当該不利益取扱いが①の故をもってなされたこと(不当労働行為意思)であるとされている(山川『不当労働行為法』47頁)。

 また、労組法7条4号は、使用者が、労働者が労働委員会に対し不当労働行為救済申立てや中央労働委員会に対し再審査の申立てをしたことまたは労働委員会がこれらの申立てに係る調査もしくは審問をし、もしくは当事者に和解を勧め、もしくは労働関係調整法による労働争議の調整をする場合に労働者が証拠を提示し、もしくは発言をしたことを理由として、当該労働者を解雇し、その他これに対して不利益な取扱いをすることも不当労働行為(報復的不利益取扱い)として禁止している。

 これらに違反する解雇は私法上も無効である(菅野ら『労働法』1174~1176頁参照)。

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