Case504 業務に起因する精神疾患を発症した状況で送信された上司及び取引先に対するメールを理由とする降格処分が無効とされた事案・セントラルインターナショナル事件・東京高判令4.9.22労判1304.52
(事案の概要) 原告労働者の上司であるA部長は、昼前に出勤することや早い時間に退社することが多かったため、原告は、A部長の勤務態度についてA部長や専務に抗議するなどしていました。 しかし、特別改善等が見受けられず、A […]
Case503 配車係がけん引運転手に対して出張手当等が付く配車を止めたことが合理的な裁量を逸脱し違法であるとされた事案・向島運送ほか事件・横浜地判令5.3.3労判1304.5
(事案の概要) 原告労働者は、被告会社においてけん引運転手として勤務していました。 原告は、被告配車係の決定に従い、出張手当及び早出手当が付く配車(出張等配車)を受け、両手当を合計して月平均約13万円の手当を受けてお […]
Case502 下請会社の後継ぎである養成社員の長時間労働及び上司からのパワハラについて会社に勤務管理義務及びパワハラ防止義務違反が認められた事案・日本土建事件・津地判平21.2.19労判982.66
(事案の概要) 建設業を営む被告会社の下請会社の後継ぎ息子であった本件労働者は、養成社員として被告会社に入社してから2か月足らずで過酷な本件現場に配属されました。 本件労働者は連日長時間労働をしていましたが、被告会社 […]
Case501 教員に対する長年の仕事外しや他の職員からの隔離、賃金差別が不当労働行為等に当たるとして慰謝料600万円が認められた事案・松蔭学園事件・東京高判平5.11.12
(事案の概要) 原告労働者は、昭和48年から被告法人が運営する本件高校で専任教諭として勤務していました。原告は、昭和49年から若手教師間で労働条件の改善等を議論する学習会をはじめ、昭和55年4月には労働組合を結成し、昭 […]
Case500 カルテの記載は信用性が高いとして上司による侮辱的な叱責や休職を妨害する言動を認定し不法行為の成立を認めた事案・サントリーホールディングスほか事件・東京高判平27.1.28
(事案の概要) 原告労働者は、被告上司から繰り返し厳しい注意指導を受け、うつ病にり患して精神科を受診しました。原告は、医師に対して、被告上司から「新入社員以下だ。もう任せられない。」などと言われたこと、被告上司は誰にで […]
Case499 既に組合を脱退した者に対する権利利益の回復を求める組合の不当労働行為救済申立てについて救済利益が認められた事案・明輝製作所事件・東京高判昭63.8.31労判527.34
(事案の概要) 不当労働行為救済命令に対して、組合と会社の双方が取消訴訟を提起した事案です。 原告会社は、原告労働組合に所属する組合員ら6名に対して、本来の仕事を行わせず倉庫整理や屋根のペンキ塗り等の雑作業を命じたり […]
Case498 労組法7条3号の支配介入の不当労働行為救済申立てについて組合員個人の申立適格を認めた最高裁判例・京都地労委(京都市交通局)事件・最判平16.7.12労判875.5
(事案の概要) 不当労働行為救済命令に対する取消訴訟です。 京都市交通局に勤める原告労働者は、労働組合の支部長でしたが、組合内には主流派と反主流派があり、原告は反主流派の中心的活動家でした。 交通局長は、原告を係長 […]
Case497 脊髄空洞症による療養から復帰した直後の労働者に対して強い口調で叱責したことがパワーハラスメントに該当するとした事案・U銀行パワハラ事件・岡山地判平24.4.19労判1051.28
(事案の概要) 被告会社で勤務していた原告労働者は、脊髄空洞症等による入院、療養を経て職場復帰しました。原告は、後に脊髄空洞症の後遺症により身体障害者4級と認定されています。 被告上司は、原告のミスに対し不満を募らせ […]
Case496 歯科医師である原告に予約が入りにくくした行為などが違法なマタハラに当たるとして、慰謝料や不就労期間の賃金請求を認めた事案・医療法人社団Bテラスほか事件・東京高判令5.10.25労判1303.39
(事案の概要) 被告法人が運営する歯科医院で歯科医師として勤務していた原告労働者(女性)は、令和2年9月18日、妊娠した旨を被告院長(理事長)に報告し、翌日から同年10月31日まで体調不良で休職し(1日だけ出勤)、同年 […]
Case495 上司が喫煙者である部下に対して冬の間扇風機を当て続けた行為などが不法行為に該当するとされた事案・日本ファンド(パワハラ)事件・東京地判平22.7.27労判1016.35
(事案の概要) 原告労働者A、B及びCが、事業部長である被告上司から以下のようなパワハラを受けたとして、被告上司及び被告会社に対して損害賠償請求した事案です。 ・喫煙者である原告A及びBがたばこ臭いといって、本来扇風機 […]