今日の労働裁判例
【パワハラ】Case591 退職勧奨・配転・賃下げ・仕事外しが違法なパワハラに該当するとされた事案・メドエルジャパン事件・東京地判令5.4.28労判1328.65【労働弁護士が選ぶ今日の労働裁判例】
事案の概要 被告会社のA社長は、原告労働者に対し、自主退職しなければ解雇すると述べたり、退職するか給与を半額にする契約書にサインするか選択するように述べるなどして執拗な退職勧奨を行い、退職勧奨を拒絶した原告をマーケティ […]
【不当解雇】Case590 上司に対して暴行・脅迫をした労働者に対する普通解雇が無効とされた事案・鹿島建設事件・東京地判令6.10.22労判1328.46【労働弁護士が選ぶ今日の労働裁判例】
事案の概要 原告Xは被告Y社の従業員であり、事務職として複数の支店で勤務した後、課長に就任した人物です。 令和3年8月2日頃、Xは本件工事事務所内において、上司であるC所長に対し、経費精算処理の遅延について強い口調で […]
【残業代】Case589 テレビ番組制作業務における事業場外みなし制度の適用が無効とされるなどした事案・テレビ東京制作事件・東京地判令5.6.29労判1324.61
事案の概要 原告労働者は被告会社の従業員(副参事)としてテレビ番組制作業務に従事していました。原告は被告に対し、未払残業代及びそれに対する付加金、並びに48日間連続勤務や月100時間を超える時間外労働について安全配慮義 […]
【不当解雇・解雇撤回】Case588 方便的解雇撤回後の労働者の不就労期間について賃金請求が一部認められ歩合給変更が無効とされた事案・K’sエステート事件・東京高判令6.12.24労判1327.73
事案の概要 本件は、原告Xが、被告Y社に対し、Y社が行った解雇の通知が無効であると主張し、労働契約上の地位確認と未払賃金の支払いを求めた事案です。 Y社はXに対して令和4年5月3日付けでの解雇の通知を行いましたが、X […]
【不当解雇・雇止め】Case587 日々雇用労働者に対する雇用停止に雇止め法理(労契法19条2号)の類推適用が認められた事案・近江アサノコンクリート事件・大阪高判令6.1.19労判1327.15
事案の概要 本件は、原告労働者Xが、被告Y社に対し、Y社が行った雇止めの通知が無効であると主張し、労働契約上の地位確認等を求めた事案です。 Xは、平成4年にY社に正社員として入社し、平成11年に希望退職しましたが、退 […]
【労働組合】Case586 請負契約の個人作業者について労組法上の労働者性が認められた事案・国・中労委(ワットラインサービス)事件・東京高判令6.11.6労判1324.5
1 事案の概要 原告X社は、電気メーターの計器工事を請負契約で個人作業者に委託していました。個人作業者らは合同労働組合の分会を結成し、X社に対し団体交渉を申し入れましたがX社は個人作業者が労働契約を締結している従業員で […]
【残業代】Case585 半月毎のシフト表による1か月単位の変形労働時間制の効力が否定された事案・クローバー事件・静岡地沼津支判令5.3.27労判1323.64
1 事案の概要 原告労働者ら16名は被告会社が運営する介護施設で、施設長、訪問介護サービス提供責任者兼介護職、介護職などの職務に従事していました。被告の就業規則では休日は勤務シフトにより定めるとされ、賃金規程では職位手 […]
【残業代】Case584 歩合給を運行時間外手当とする賃金規程の改定が不利益変更に当たり労働者の合意書があっても無効とされた事案・あさと物流事件・神戸地判令6.5.13労判1323.57
⑴ 事案の概要 原告Xは、被告である運送会社Y社に雇用されていました。Y社は、旧規定から本件規定へ賃金規定を改定しました。この改定により、旧規定にあった歩合給が廃止され、代わりに「運行時間外手当」が導入されました。運行 […]
【労働組合】Case583 組合からの脱退勧奨及び直後の自宅待機命令が不当労働行為及び不法行為とされた事案・大浜資材事件・大阪地判令6.7.10労判1323.23
⑴ 事案の概要 被告会社は、原告労働者ら2名に対し、所属する労働組合から脱退するよう勧告しました。原告らがこの勧告に従わず組合員であり続けることを選択したところ、会社は原告らに対して終期を定めずに自宅待機を命じました( […]
【有休】Case582 コロナ禍での海外への渡航を禁止するために休暇予定日の前日にされた時季変更権の行使が違法とされた事案・京王プラザホテル札幌事件・札幌高判令6.9.13労判1323.14
(事案の概要) 原告労働者は、令和2年3月にハワイで行われる娘の結婚式に出席するため、被告会社に対して、約1か月前に年次有給休暇の時季指定をしました。 当初会社はこれを了承していましたが、新型コロナウイルス感染症の拡 […]