労災
Case547 労働者の疾病は双極性障害であったとしてうつ病を前提に症状固定とした労災不支給決定が取り消された事案・国・土浦労基署長(大東建物管理)事件・東京高判令6.1.31労判1316号22頁新着!!
(事案の概要) 原告労働者は、平成24年9月、平成20年6月頃に業務に起因して軽症うつ病エピソードを発病していたとして労災認定を受けました。平成25年3月、原告のA主治医は、原告について「うつ病」と診断しました。 平 […]
Case545 使用者には労災支給決定に対する取消訴訟の原告適格がないとした最高裁判例・国・札幌中央労基署長(一般財団法人あんしん財団)事件・最判令6.7.4労判1315.5
(事案の概要) 使用者である原告法人が、被告国に対して、札幌中央労基署がした労災支給決定の取消しを求めた取消訴訟です。 そもそも使用者が労災支給決定に対する取消訴訟の原告適格を有するかが争点となりました。 法人は、 […]
【解雇事件マニュアル】Q30打切補償による解雇が解雇権濫用に当たる場合はあるか
労基法81条の打切補償が支払われ、同法19条1項の解雇制限が適用されないとしても、労契法16条の解雇権濫用法理は適用されるため、業務上の傷病を理由とする解雇が必ず有効になるわけではない。 もっとも、アールインベストメ […]
【解雇事件マニュアル】Q29労災保険法上の療養補償給付を受ける労働者も打切補償の対象になるか
(労基法81条) 第七十五条の規定によつて補償を受ける労働者が、療養開始後三年を経過しても負傷又は疾病がなおらない場合においては、使用者は、平均賃金の千二百日分の打切補償を行い、その後はこの法律の規定による補償を行わな […]
【解雇事件マニュアル】Q28業務上災害による療養者の解雇制限の例外は
1 労基法81条の打切補償を支払う場合 1つ目の例外として、労基法19条1項ただし書は、使用者が労働者に対して同法81条の規定による打切補償を支払う場合には、同法19条1項本文の解雇制限を適用しないとしている。 同法8 […]
【解雇事件マニュアル】Q26労基法19条1項の「休業」には一部休業も含まれるか
労基法19条1項の「休業」には、一部出勤しながら治療のため通院しているような一部休業も含まれるのか。 この点、厚労省『労基法上』288頁は、労基法19条1項本文の「休業」とは、原則として全部休業の意であって、出勤しな […]
【解雇事件マニュアル】Q25労基法上の業務上災害による療養者の解雇制限とは
(労基法19条) 使用者は、労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業する期間及びその後三十日間並びに産前産後の女性が第六十五条の規定によつて休業する期間及びその後三十日間は、解雇してはならない。ただし、使 […]
Case516 月80時間を大幅に超える月約150時間分に相当する残業代として職務手当を支払うことは当事者の意思に反するとして固定残業代を無効とした事案・国・渋谷労基署長(カスタマーズディライト)事件・東京地判令5.1.26労判1307.5
(事案の概要) 本件会社においてマネージャー兼料理長として業務に従事していた原告労働者は、業務に起因して精神障害を発症したとして、労災申請し、休業補償給付の支給決定を受けました。 しかし、労基署は、職務手当が固定残業 […]
Case511 上司による「主任失格」などの叱責や結婚指輪を外せとの命令がパワハラに当たるとしてうつ病発症及び自殺の業務起因性が認められた事案・名古屋南労基署長(中部電力)事件・名古屋高判平19.10.31労判954.31
(事案の概要) 労災不支給決定に対する取消訴訟です。 本件労働者は、平成11年8月に所属する環境整備課の主任(管理職ではないが、一般職の最高職)に昇格しました。 本件労働者の上司であるAは、本件労働者に対して、「主 […]
Case510 右足関節機能障害を持つ労働者を異動させず家庭訪問業務を継続させたことが安全配慮義務違反に当たるとされた事案・大和高田市事件・奈良地葛城支判令4.7.15労判1305.47
(事案の概要) 原告労働者は、一般職として被告大和高田市に採用され、平成8年度からは市税の徴収業務に従事していました。 原告は、平成9年5月に交通事故に遭い、右足関節捻挫、右大腿部打撲等の傷害を負い、平成10年11月 […]