解雇
Case389 機密情報が入った私物ハードディスクを持ち帰っただけでは「機密を外に漏らした」という懲戒解雇事由や普通解雇事由に該当しないとした事案・乙山商会事件・大阪地判平25.6.21労判1081.19
(事案の概要) 原告労働者は、被告会社で使っていた私物の外付けハードディスクを、会社の取引情報が入った状態で持ち帰りましたが、情報を外部に流出させた事実はありませんでした。 会社は、原告がデータを持ち帰ったことが就業 […]
Case388 企業秩序を現実に侵害するとまではいえないことや十分な弁明の機会が付与されず手続的に相当性を欠くものであることから業務命令違反を理由とする懲戒解雇が無効とされた事案・日本通信(懲戒解雇)事件・東京地判平24.11.30労判1069.36
(事案の概要) 退職勧奨を拒否して自宅待機中であった原告労働者は、被告会社に呼び出され、原告が有する所内システムの管理権限を抹消するためにパスワードを教えるよう求められましたが、退職に応じないことを理由にこれを拒否しま […]
Case385 入社時の誓約書が懲戒の種別及び事由を定めたものといえず懲戒権の根拠にならないとされた事案・丸林運輸事件・東京地決平18.5.17労判916.12
(事案の概要) トラックドライバーである本件労働者ら2名は、勤務終了後に翌日の出庫に備えてトラックの仮眠ベットで眠ることとし、その際車内で飲酒をしましたが運転はしていませんでした。本件会社は、飲酒運転をしたとして本件労 […]
Case384 就業規則上の懲戒事由に該当するというためには企業秩序を現実に侵害したなどの事情が必要であるとして懲戒解雇を無効とした事案・学校法人B(教員解雇)事件・東京地判平22.9.10労判1018.64
(事案の概要) 被告法人が運営する大学の教授である原告労働者は、学長選挙の際に特定の学長候補者に対する人身攻撃を内容とするFAXを送信した(懲戒事由A)など8つの事実が「教員としてふさわしくない行為を行い、学園の名誉若 […]
Case375 能力等の判断に必要な合理的範囲を超えた長期の試用期間の定めは公序良俗に反し無効であるとした事案・ブラザー工業事件・名古屋地判昭59.3.23労判439.64
(事案の概要) 本件会社では、中途採用者を「見習社員」として、雇用期間は原則として2か月で、見習社員が「試用社員登用試験」に合格して「試用社員」になるか、試験に3回不合格になって雇止めされるまでの間、期間満了毎に自動的 […]
Case369 就業規則に試用期間延長の規定がない場合、やむを得ない事情がない限り労働者の同意を得たとしても試用期間の延長は無効であるとした事案・明治機械事件・東京地判令2.9.28判時2493.103
(事案の概要) 原告労働者は、被告会社と試用期間3か月の無期雇用契約を締結しました。雇用契約や就業規則に試用期間延長の定めはありませんでした。 会社は、試用期間満了前に原告に対して、試用期間を1か月延長する旨の試用期 […]
Case358 人事部長からの退職勧奨に続く「明日から出社しなくてよい」旨の発言が解雇の意思表示に当たるとして当該解雇を無効とした事案・みんなで伊勢を良くし本気で日本と世界を変える人達が集まる事件・名古屋高判令1.10.25労判1222.71
(事案の概要) 原告労働者Aは、テーマパークを運営する被告会社と雇用契約を締結しましたが、労働条件は会社側から口頭で告げられただけで、試用期間3か月という説明はあったものの、最初の1か月はアルバイトという説明はありませ […]
Case356 在日朝鮮人に対する本籍や氏名等の虚偽申告を理由とする内定取消し及び懲戒解雇が国籍による差別に当たるとして違法無効とされた事案・日立製作所事件・横浜地判昭49.6.19労判206.46
(事案の概要) 在日朝鮮人である原告労働者は、被告会社の雇用期間2か月の臨時工に応募し内定を得ましたが、提出した履歴書に通称名を記載し本籍等を偽り、面接官にも履歴書記載の氏名や本籍が真実であると回答しました。 原告が […]
Case355 採用面接において前職場でセクハラ・パワハラを行ったとして問題にされたことを告知しなかったことを理由とする解雇が無効とされた事案・学校法人尚美学園事件・東京地判平24.1.27労判1047.5
(事案の概要) 被告法人が設置する大学の教授である原告労働者は、以前の勤務先でセクハラ・パワハラを行ったとして問題にされたことを採用面接で告知しなかったことを理由に解雇されました。なお、採用面接において、前職で事件を起 […]
Case350 パチンコ店のホールスタッフが入社に当たり風俗店での勤務歴を申告しなかったことを理由とする懲戒解雇が無効とされた事案・岐阜地判平25.2.14ジュリスト1464.124
(事案の概要) 原告労働者(女性)は、被告会社と有期雇用契約を締結してパチンコ店のホールスタッフのアルバイトとして勤務していました。 原告は、過去に風俗店で勤務していたことを履歴書に書いていませんでした。会社は、後に […]