Case3 メッセージ送信行為がセクハラと認められた事案・旭川公証人合同役場事件・旭川地判令3.3.30労判1248.62

(事案の概要)
 公証人である被告(男性)から多数回のメッセージ送信行為等のセクハラを受けたとして、公証人の書記であった原告(女性)が慰謝料等の損害賠償を請求した事案です。
 被告は、原告に対してメッセージアプリをインストールさせたうえ、毎日のように業務に関係のない多数のメッセージを送信していました。
 また、原告は被告から違法な退職勧奨を受けたとも主張しました。

(判決の要旨)
 判決は、被告によるメッセージ送信行為について、個々のメッセージの内容には使用者として明らかに不適切なメッセージはないとしつつも、以下のような事情を総合し、被告は遅くとも原告から交際相手が心配していることを理由に会食の誘いを断られた時点で、被告の言動が原告にとって迷惑であり、性的な嫌悪感を含む精神的苦痛を生じさせるものであることを認識し、メッセージの送信を控えるべき注意義務を負っていたとして、メッセージ送信行為が不法行為に当たるとし、慰謝料20万円を認めました。

・約2か月間毎日のように多数のメッセージを送信していること
・業務とおよそ無関係なものが多数含まれていること
・いずれも被告から送信が開始されていること
・大部分が業務時間外に送信され被告が飲酒した上で送信されることもあったこと
・短期間のうちに何度も2人きりでの会食に誘っていること
・原告の息子が原告のスマーフォンを時々使用していると聞くと「このメッセージ、大丈夫でしょうか。」とのメッセージを送信していること
・原告から交際相手が気にしている旨の返信を受けてメッセージの内容や頻度を変化させていること

 その他、2,3度2人きりの会食に誘ったこと、手相を見ると言って原告の手に触れたこと等については、不法行為に当たるとはいえないとしました。
 また、違法な退職勧奨は認められないとしました。

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