Case280 男性上司が女性の部下をガールズバーに同行させ淫らな行為をするよう煽ったり卑わいな発言をしたこと等が不法行為に当たるとされた事案・ライフマティックス事件・大阪地判令4.2.18

(事案の概要)

 本件は、原告労働者(女性)が、被告上司(男性)から多数のセクハラ・パワハラを受けたなどと主張して、被告上司及び被告会社に対して慰謝料の支払い等を求めた事案です。

 このうち、被告上司が、原告をガールズバーに誘って同行した上、強要はしていないものの、原告に対して女性店員と淫らな行為をすることを勧める趣旨の発言をし、その結果、原告が女性店員と複数回の接吻をしたり、女性店員と胸を触り合ったりし、それを見て被告上司がより一層卑わいな発言をするなどした一連の出来事が特に問題となりました。

 休職期間満了による退職扱いの効力も問題となりましたが、退職扱いは有効とさています。

(判決の要旨)

 判決は、被告上司は原告に対して淫らな行為を強要していないものの、被告上司は原告の雇用関係ないし雇用継続に強い影響力を有していたとしたうえ、原告は被告上司からの評価を獲得したい等との心情から、底意では必ずしもそれを望んでおらず、抵抗感を抱くなどしつつも上記行為に及んだとしました。そして、被告上司は、原告の雇用関係に自らが強い影響力を有しているという立場を認識しながらも、原告に対し、更に淫らな行為をするよう煽る趣旨の発言をしたり、一層卑わいな発言をするなどしており、被告上司の一連の言動は、社会通念上、許容される限度を超えて、原告に対して精神的苦痛を与えたと評価でき、原告の人格権を侵害した不法行為に当たるとし、被告上司及び被告会社に慰謝料50万円等の支払いを命じました。

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