Case19 第三者委員会が認定したパワハラを理由とする懲戒解雇を無効とし賞与請求も認めた事案・社会福祉法人ファミーユ高知事件・高松高判令4.5.25

(事案の概要)

 第三者委員会が認定したパワーハラスメントを理由になされた懲戒解雇の有効性が争われた事案です。賞与請求の可否の争点となりました。

 被告が運営するリハビリセンターの職員が大量に退職した原因が、センター長であった原告にある旨の匿名の投書がきっかけで、第三者委員会が設置され、原告によるパワーハラスメントの有無が調査されました。第三者委員会は、原告の複数職員に対するパワーハラスメント行為が存在する旨の報告書を作成しました。

 被告は、第三者委員会が認定したパワーハラスメントを解雇理由として、原告を懲戒解雇しました。

(判決の要旨)

一審判決(高知地判令3.5.21労経速2459.26)

 被告は、第三者委員会が認定したパワーハラスメント以外の事実についても、解雇理由として追加して主張していましたが、判決は、解雇通知書に記載されていた解雇理由は第三者委員会からの報告によるパワーハラスメントと限定されていたことから、それ以外の事実は解雇理由にならないとしました。

 また、第三者委員会がパワーハラスメントと認定した事実は、いつの出来事が特定されていない、存在するはずの客観的資料による裏付けがなされていない等の理由から、そもそもそのような事実が認められないか、パワーハラスメントに該当するとは認められないとして、解雇を無効としました。

 賞与請求は棄却されました。

控訴審判決

 控訴審も、解雇を無効としました。

 また、一審で棄却されていた賞与請求について、就業規則及び労働契約等において、支給金額が具体的に算定できる程度に算定基準が定められている場合には、労働契約において金額が保障されているといえ、その他の支給要件を満たした場合には、賞与請求権は使用者の決定を待たずに具体的な権利として発生するとして、給与規程に基づく賞与請求を一部認めました。

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