Case36 女性社員に総合職転換の機械を与えないことが均等法違反とされた事案・巴機械サービス事件・横浜地判令3.3.23労判1243.5

(事案の概要)

 女性社員である原告らが、会社に対し、自らが一般職とされ、総合職である男性社員との間に賃金格差が生じていることについて、会社の給与規定等が労基法4条(男女差別)に違反し、また、採用時に女性であることのみを理由に一般職に振り分け、総合職への転換を不可能にしていることが雇用機会均等法に違反すると主張し、①総合職の地位にあることの確認、②総合職との差額賃金(予備的に不法行為に基づく損害賠償)、③男女差別に対する慰謝料を求めた事案です。

 会社は、総合職及び一般職からなるコース別人事制度(本件制度)を導入して以降、一般職を9名採用し全員が女性、総合職を56名採用し全員が男性でした。総合職と一般職では異なる職能給表が適用されていました。会社の給与規定には一般職から総合職への転換を定める規定がありますが、転換の実績はなく、そのための具体的な基準等も存在しませんでした。

 原告らは、会社に対して総合職転換を希望する意思を伝えていましたが、会社は具体的基準等を示さず、女性に総合職はない旨の発言もありました。

(判決の要旨)

 判決は、総合職と一般職で異なる職能給表を適用していること自体が直ちに労基法4条に違反するとはいえないが、制度の運用において、女性であることを理由とした差別的取扱いをしていないかを検討する必要があるとしたうえ、原告らはあくまで一般職として採用されたのであり、女性であることを理由に殊更に一般職に振り分けられたとは認められないとして、労基法4条・均等法違反を否定しました。

 次に、総合職への転換がないことについて合理的理由が認められない場合には、職種の変更について性差別を禁止する雇用機会均等法6条3号等に違反するとしたうえ、被告が原告らに総合職転換の機会を提供しないことについて、合理的な理由は認められないとして、違法な男女差別に当たるとしました。

 救済方法について、総合職としての採用・職種転換を認めるかは会社の裁量的判断に属する事項であるとして、①総合職の地位にあることの確認、②総合職との差額賃金を否定し、③各100万円の慰謝料のみ認めました。

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