Case446 出張中の宿泊先で同僚と飲酒酩酊し階段から転倒して死亡した事故について労災と認められた事案・大分労基署長(大分放送)事件・福岡高判平5.4.28労判648.82

(事案の概要)

 労災不支給決定に対する取消訴訟です。

 被災労働者は、4名での出張中の宿泊施設で同僚たちと飲酒して酩酊し、宿泊部屋に戻ろうとした際にトイレのサンダルを履いていることに気づき、トイレに戻るため階段を降りようとした際に足を踏み外して転倒し、頭部を打撲して急性硬膜外血種により死亡しました。

 遺族である原告が労災申請しましたが、労基署長は、本件事故は出張業務と関係のない被災者の飲酒による酩酊が原因で生じたものであり、業務遂行性も業務起因性も認められないとして不支給決定をしました。

(判決の要旨)

 判決は、本件事故は、被災者が業務とまったく関連のない私的行為や恣意的行為ないしは業務遂行から逸脱した行為によって自ら招来した事故であるとはいえず、宿泊を伴う業務遂行に随伴ないし関連して発生したものであり(業務遂行性肯定)、業務起因性を否定する事情もないとして、労災不支給決定を取り消しました。

※確定

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