労災

今日の労働裁判例
Case493 上司からの暴行やその後の管理部長の「ぶち殺そうか」との発言により妄想性障害にり患したと認められた事案・ファーストリテイリングほか(ユニクロ店舗)事件・名古屋高判平20.1.29労判967.62

(事案の概要)  被告会社の店舗で勤務していた原告労働者は、店舗運営日誌に、被告店長の仕事上の不備を指摘し「店長へ」「どういうことですか?反省してください」と記載しました。これを見た被告店長は、原告を休憩室へ呼び出し、原 […]

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今日の労働裁判例
Case484 自殺した新入社員の手帳の記載から上司による業務上の注意指導の域を超える精神的攻撃が認定された事案・暁産業ほか事件・名古屋高判平27.9.16

(事案の概要)  本件労働者は、平成22年2月から被告会社でアルバイト勤務をはじめ、高校卒業後の同年4月から正社員として勤務を始めました。本件労働者は、リーダーである被告上司に同行して、消火栓や火災報知器などの点検業務を […]

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今日の労働裁判例
Case483 新入社員の自殺につき上司が労働者の業務の量等を適切に調整するための措置を採る義務や指導に際して過度な心理的負担をかけないよう配慮する義務に違反したとした事案・岡山県貨物運送事件・仙台高判平26.6.27労判1100.26

(事案の概要)  本件労働者は、平成21年4月に被告会社に新卒入社し、家電製品の運搬等の業務を行っていました。本件労働者は、入社直後の同年5月頃から恒常的な長時間労働をしており、同年7月頃には時間外労働時間は月約130時 […]

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今日の労働裁判例
Case482 上司のパワハラの違法性は否定されたものの長時間労働及び上司の指導によりうつ病を発症したことについて会社の安全配慮義務違反が認められた事案・横河電機(SE・うつ病罹患)事件・東京高判平25.11.27労判1091.42

(事案の概要)  原告労働者は、被告会社において、チームリーダー及び被告サブリーダーを含む4人チームでソフト開発等の業務に従事していました。  原告の平成17年11月頃の1か月あたりの時間外労働時間は90時間を超えており […]

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今日の労働裁判例
Case476 海外出張中に現地法人の従業員が起こした交通事故について会社の使用者責任が認められた事案・伊藤忠商事・シーアイマテックス事件・東京高判令5.1.25労判1300.29

(事案の概要)  原告労働者は、被告会社に出向し、マレーシアに海外出張していました。  原告労働者は、本件ビジネスの視察に行くために被告会社の孫会社であるマレーシア法人の従業員Aが運転する車に同乗し、Aの過失による交通事 […]

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Case472 建材メーカーの責任について所謂シェア論による立証手法を否定した高裁判決を破棄して原審に差し戻した最高裁判例・建設アスベスト訴訟(東京)事件・最判令3.5.17労判1299.5

(事案の概要) 石綿(アスベスト)含有建材から生ずる石綿粉じんにばく露したことにより石綿関連疾患(中皮腫等)を発症した建設作業従事者やその遺族が、国に対して、石綿粉じんにばく露することを防止するために労働安全衛生法(安衛 […]

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逐条解説労働基準法
労働基準法第19条 解雇制限

(解雇制限)第十九条① 使用者は、労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業する期間及びその後三十日間並びに産前産後の女性が第六十五条の規定によつて休業する期間及びその後三十日間は、解雇してはならない。ただし […]

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今日の労働裁判例
Case464 試用期間から本採用となり地位や仕事の量・質が変化した後の長時間労働を総合評価して適応障害発症及び自殺の業務起因性を認めた事案・青森三菱ふそう自動車販売事件・仙台高判令2.1.28労判1297.147

(事案の概要)  本件労働者は、平成27年4月に被告会社に入社し自動車整備等の業務に従事していました。同年6月までは試用期間として中堅社員の下で整備を行っていましたが、同年7月以降は一人で整備を行うようになりました。また […]

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今日の労働裁判例
Case456 ハイヤー乗務員について実作業時間のほかに手待ち時間がある可能性もあることなどから恒常的長時間労働を認めうつ病の業務起因性を肯定した事案・国・太田労基署長(羽田交通)事件・東京地判平27.5.28労判1120.5

(事案の概要)  労災不支給決定に対する取消訴訟です。  原告労働者は、本件会社のハイヤー乗務員として、発症直前6か月では1か月あたり約75時間、直前4か月では1か月あたり80時間超え、直前1か月間では月100時間を超え […]

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今日の労働裁判例
Case455 発症前7か月以前の海外出張中の長時間労働等を考慮して精神疾患の業務起因性を認めた事案・国・中央労基署長(旧旭硝子ビルウォール)事件・東京地判平27.3.23労判1120.22

(事案の概要)  労災不支給決定に対する取消訴訟です。  本件労働者は、新規プロジェクトの担当者として約1年間に渡り香港に出張し、月100時間を優に超え、月200時間を超える月も複数あるという極めて長時間の時間外労働をし […]

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