2024年7月
【解雇事件マニュアル】Q28業務上災害による療養者の解雇制限の例外は
1 労基法81条の打切補償を支払う場合 1つ目の例外として、労基法19条1項ただし書は、使用者が労働者に対して同法81条の規定による打切補償を支払う場合には、同法19条1項本文の解雇制限を適用しないとしている。 同法8 […]
【解雇事件マニュアル】Q27退職扱いにも労基法19条1項が適用されるか
就業規則上の休職期間満了の効果として、休職期間満了が解雇事由とされていることもあれば、休職期間満了をもって自然退職したものと扱うなどとされていることもある。後者の退職扱いにも労基法19条1項による制限が適用されるのかが […]
【解雇事件マニュアル】Q26労基法19条1項の「休業」には一部休業も含まれるか
労基法19条1項の「休業」には、一部出勤しながら治療のため通院しているような一部休業も含まれるのか。 この点、厚労省『労基法上』288頁は、労基法19条1項本文の「休業」とは、原則として全部休業の意であって、出勤しな […]
Case527 学生に対する複数のハラスメントを理由とする停職処分が教授会の議を経ていない手続上の重大な瑕疵があるとして無効とされた事案・国立大学法人愛知教育大学事件・名古屋地判令3.1.27労判1307.64
(事案の概要) 本件は、被告法人が設置する大学において教授として勤務する原告労働者が、学生に対するハラスメントを理由にされた停職6週間の懲戒処分(本件処分)の無効確認等を求めた事案です。なお、本件処分を理由とする損害賠 […]
【解雇事件マニュアル】Q25労基法上の業務上災害による療養者の解雇制限とは
(労基法19条) 使用者は、労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業する期間及びその後三十日間並びに産前産後の女性が第六十五条の規定によつて休業する期間及びその後三十日間は、解雇してはならない。ただし、使 […]
Case526 二度に渡る賃金減額を伴う職位の引下げとしての降格を無効とし第一降格の直後に行われた第二降格は不法行為にも当たるとされた事案・シーエーシー事件・東京高判令4.1.27労判1307.51
(事案の概要) 原告労働者は、被告会社と期間の定めのない雇用契約を締結し、平成27年12月当時サービスプロデューサーの地位にありました。原告の月額賃金は、職責給53万200円および役職給7万円でした。役職給の金額につい […]
【解雇事件マニュアル】Q24期間途中の解雇の効力を争う間に契約期間が満了した場合はどうなるか
1 解説 有期労働契約の期間途中の解雇が無効であるとしても、解雇が無効と判断された時点(訴訟においては事実審の口頭弁論終結時)で既に契約期間が満了している場合には、地位確認及び期間満了後の賃金請求が認められるのであろう […]
【解雇事件マニュアル】Q23期間途中の整理解雇はどのような場合に有効になるか
1 はじめに 労契法17条1項の「やむを得ない事由」が認められるためには、①客観的合理性及び②社会的相当性(労契法16条)に加えて、期間満了を待たずに直ちに雇用を終了させざるを得ない特段の重大な事由が存在することが必要 […]
Case525 高度の経営上の困難から人員削減が必要であったとはいえないとして整理解雇が無効とされた事案・ジーエル(保全異議)事件・津地決平28.7.25労判1152.26
(事案の概要) 労働契約上の地位と賃金仮払いを認めた仮処分決定に対する保全異議事件です。本件会社は、D社から液晶パネルの生産業務を請け負うE社から、さらに上記業務を請け負っていました。本件労働者ら3名は、約5年から8年 […]
Case524 主要取引先からの受注量減少等を理由とする期間途中の解雇及び雇止めがいずれも解雇回避努力が不十分で無効とされた事案・資生堂ほか1社事件・横浜地判平26.7.10労判1103.23
(事案の概要) 原告労働者ら7名は平成18年に派遣労働者として使用者と有期雇用契約を締結してA社に派遣され、平成19年以降は被告会社と請負労働契約を締結してA社の鎌倉工場においてA社から受注した業務を行っていました。 […]