【解雇事件マニュアル】Q35均等法による性別を理由とする解雇の禁止とは
(均等法6条)
事業主は、次に掲げる事項について、労働者の性別を理由として、差別的取扱いをしてはならない。
一~三 略
四 退職の勧奨、定年及び解雇並びに労働契約の更新
均等法6条4号は、労働者の性別を理由として解雇することを禁止している。
厚生労働大臣が定める「労働者に対する性別を理由とする差別の禁止等に関する規定に定める事項に関し、事業主が適切に対処するための指針」(平18.10.11厚労告614号、以下「指針」ということがある。)は、均等法6条4号により禁止される解雇の例として、以下のものを挙げている。
イ 解雇に当たって、その対象を男女のいずれかのみとすること。例えば、経営の合理化に際して、女性のみを解雇の対象とすること。
ロ 解雇の対象を一定の条件に該当する者とする場合において、当該条件を男女で異なるものとすること。例えば、①経営の合理化に際して、既婚の女性労働者のみを解雇の対象とすることや、②一定年齢以上の女性労働者のみを解雇の対象とすること。
ハ 解雇に当たって、能力及び資質の有無等を判断する場合に、その方法や基準について男女で異なる取扱いをすること。例えば、経営合理化に伴う解雇に当たり、人事考課を考慮する場合において、男性労働者については最低の評価がなされている者のみ解雇の対象とするが、女性労働者については特に優秀という評価がなされている者以外は解雇の対象とすること。
ニ 解雇に当たって、男女のいずれかを優先すること。例えば、解雇の基準を満たす労働者の中で、男性労働者よりも優先して女性労働者を解雇の対象とすること。