2025年5月
【解雇事件マニュアル】Q71 解雇理由証明書とは
(労基法22条) 労働者が、退職の場合において、使用期間、業務の種類、その事業における地位、賃金又は退職の事由(退職の事由が解雇の場合にあつては、その理由を含む。)について証明書を請求した場合においては、使用者は、遅滞 […]
【残業代】Case589 テレビ番組制作業務における事業場外みなし制度の適用が無効とされるなどした事案・テレビ東京制作事件・東京地判令5.6.29労判1324.61
事案の概要 原告労働者は被告会社の従業員(副参事)としてテレビ番組制作業務に従事していました。原告は被告に対し、未払残業代及びそれに対する付加金、並びに48日間連続勤務や月100時間を超える時間外労働について安全配慮義 […]
【解雇事件マニュアル】Q70 契約締結上の過失における過失相殺の内容は
労働契約締結前に労働者が前職を退職してしまった場合、労働者にも一定の過失があったとして過失相殺がなされる例が多い。 かなざわ総本舗事件・東京高判昭61.10.14金融商事判例767号21頁は、労働者が契約準備段階で前 […]
【解雇事件マニュアル】Q69契約締結上の過失で認められる損害は
1 逸失利益 ⑴ 採用されれば得られたであろう賃金相当額 労働者が、使用者の契約締結上の過失により、当該使用者に採用されるであろうとの期待権が侵害された場合、当該使用者に採用されていれば得られたであろう賃金相当額を逸失 […]
【不当解雇・解雇撤回】Case588 方便的解雇撤回後の労働者の不就労期間について賃金請求が一部認められ歩合給変更が無効とされた事案・K’sエステート事件・東京高判令6.12.24労判1327.73
事案の概要 本件は、原告Xが、被告Y社に対し、Y社が行った解雇の通知が無効であると主張し、労働契約上の地位確認と未払賃金の支払いを求めた事案です。 Y社はXに対して令和4年5月3日付けでの解雇の通知を行いましたが、X […]
【不当解雇・雇止め】Case587 日々雇用労働者に対する雇用停止に雇止め法理(労契法19条2号)の類推適用が認められた事案・近江アサノコンクリート事件・大阪高判令6.1.19労判1327.15
事案の概要 本件は、原告労働者Xが、被告Y社に対し、Y社が行った雇止めの通知が無効であると主張し、労働契約上の地位確認等を求めた事案です。 Xは、平成4年にY社に正社員として入社し、平成11年に希望退職しましたが、退 […]
【労働組合】Case586 請負契約の個人作業者について労組法上の労働者性が認められた事案・国・中労委(ワットラインサービス)事件・東京高判令6.11.6労判1324.5
1 事案の概要 原告X社は、電気メーターの計器工事を請負契約で個人作業者に委託していました。個人作業者らは合同労働組合の分会を結成し、X社に対し団体交渉を申し入れましたがX社は個人作業者が労働契約を締結している従業員で […]
【残業代】Case585 半月毎のシフト表による1か月単位の変形労働時間制の効力が否定された事案・クローバー事件・静岡地沼津支判令5.3.27労判1323.64
1 事案の概要 原告労働者ら16名は被告会社が運営する介護施設で、施設長、訪問介護サービス提供責任者兼介護職、介護職などの職務に従事していました。被告の就業規則では休日は勤務シフトにより定めるとされ、賃金規程では職位手 […]
【残業代】Case584 歩合給を運行時間外手当とする賃金規程の改定が不利益変更に当たり労働者の合意書があっても無効とされた事案・あさと物流事件・神戸地判令6.5.13労判1323.57
⑴ 事案の概要 原告Xは、被告である運送会社Y社に雇用されていました。Y社は、旧規定から本件規定へ賃金規定を改定しました。この改定により、旧規定にあった歩合給が廃止され、代わりに「運行時間外手当」が導入されました。運行 […]
【労働組合】Case583 組合からの脱退勧奨及び直後の自宅待機命令が不当労働行為及び不法行為とされた事案・大浜資材事件・大阪地判令6.7.10労判1323.23
⑴ 事案の概要 被告会社は、原告労働者ら2名に対し、所属する労働組合から脱退するよう勧告しました。原告らがこの勧告に従わず組合員であり続けることを選択したところ、会社は原告らに対して終期を定めずに自宅待機を命じました( […]