労働基準法第6条 中間搾取の排除

(中間搾取の排除)
第六条 何人も、法律に基いて許される場合の外、業として他人の就業に介入して利益を得てはならない。

~解説~

⑴ 労働関係の開始・存続に関与して、業として中間搾取を行う行為を禁止するものです。

⑵ 「法律に基いて許される場合」として、職業安定法及び船員職業安定法による場合があります。

⑶ 「業として」とは、同種の行為を反復継続することをいい、一回の行為であっても、反復継続する意思があればこれに該当します。

⑷ 「他人の就業に介入して」とは、判例上「労働関係の当事者間に第三者が介在して、その労働関係の開始、存続等について、何らかの因果関係を有する関与をなす場合」をいいます。

⑸ 労働関係の開始に介入する行為としては、職業紹介、労働者募集、労働者供給などが挙げられます。職業安定法上の許可を得ずにこれらの行為を行った場合、職業安定法違反が成立するとともに、これによって利益を得た場合には本条違反も成立します。

⑹ 労働関係の存続に介入する行為としては、労働者に支払われる賃金の一部を着服するいわゆるピンハネなどが挙げられます。

⑺ 「利益」とは、手数料、報償金、金銭以外の財物等名称を問わず、無形のサービスであってもこれに含まれます。また、誰から利益を得るかを問いません。

⑻ 本条に違反した者は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられます(第118条1項)。

Follow me!