育児休業

目次

1 はじめに

 子育てをしながら働くことは労働者にとって大変なことです。そこで、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(育介法)」第5条~第10条が育児休業の制度を定めています。育児休業の制度について、その概要を見ていきましょう。

2 原則(1歳まで)

・労働者は、男女を問わず子が1歳に達するまで育児休業を取得することができます。

・育児休業は、原則として1人の子につき1回、連続した期間で取得しなければなりません。

※ 令和3年改正により、令和4年10月から2回の分割取得が可能になります。

・配偶者の死亡や疾病等の特別な事情がある場合には複数回の取得が可能です。

・育児休業の申出は、原則として休業開始の1か月前までに、所定の事項を記載して書面等で行います。出産予定日前の出産などの場合は1週間前までで構いません。

3 休業期間の延長(2歳まで)

・労働者は、①自分か配偶者が1歳到達日に育児休業をしており、かつ、②a保育所等における保育の申込みをしたが当面実施されないとき、または、b1歳到達後に養育を行う予定であった配偶者が死亡、負傷・疾病・身体上精神上の障害により養育困難、婚姻解消による別居、産前産後の期間のいずれかの状態になったときは、子が1歳6か月に達するまでの期間、育児休業を延長することができます。

・また、①自分か配偶者が1歳6か月到達日に育児休業をしており、かつ、上記②と同様の要件を満たすときは、子が2歳に達するまでの期間、育児休業を延長することができます。

4 有期雇用の場合

 有期雇用労働者は、①申出の時点で当該事業主に継続して雇用された期間が1年以上であり、かつ、その子が1歳6か月に達するまでに労働契約が終了することが明らかでない場合に限り、育児休業を取得することができます。

※ 令和3年改正により、令和4年4月から①の要件は撤廃されます。

5 パパ・ママ育休プラス(1歳2か月まで)

 父親と母親がともに育児休業を取得する場合には、子が1歳2か月になるまで育児休業を取得することができます。もっとも、一人の労働者が取得できる育児休暇の期間は1年間です。

6 男性の育児休業取得促進のための出生時育児休業(産後パパ育休)

 令和3年改正により、令和4年10月から、労働者は、子の出生日から8週間の期間内に4週間以内の期間を定めて、出生時育児休業を取得することができます。

 出生時育児休業は、分割して2回まで取得することができます。

 出生時育児休業の期間中は、使用者は、一定の要件のもと、労働者の同意を得て、労働者を就労させることができる点が特徴的です。

7 育児休業期間の賃金

 育児休業中は原則無給ですが、雇用保険法上の育児休業給付金等の支給を受けられる場合があるので、事前によく調べておきましょう。

8 不利益取扱いの禁止

 使用者が、労働者が育児休業申出をし、または育児休業を取得したことを理由として、当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをすることは禁止されています。

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