【労働者性】Case616 研修医の労働者性を認めた最高裁判例・関西医科大学研修医(未払賃金)事件・最二小判平17.6.3労判893.14
研修医は労働基準法上の「労働者」に該当するのでしょうか。 【事案の概要】 原告研修医Xは、1998年4月から2000年3月まで被告Y法人が運営する大学病院の研修医として研修プログラムに参加しました。この研修は医師法に基づ […]
【解雇事件マニュアル】Q83 就業規則による解雇の手続的制限の効力は
就業規則に、例えば会社が解雇を行うときには労働組合と事前に協議することを要するなどの解雇の手続規定がある場合、この就業規則上の手続きを経ずに行われた解雇は無効になるのか。 解雇の手続規定が労契法7条の「労働条件」に該 […]
【ハラスメント】Case615 従業員間で起きた無断撮影について撮影者及び会社の責任が認められ事後対応について会社独自の責任が認められた事案・ガソリンスタンドA社ほか(盗撮)事件・鳥取地倉吉支判令7.1.21労判1333.45
職場で起きた労働者間の無断撮影について、無断撮影された労働者は、撮影した労働者や会社に対して損害賠償請求することができるのでしょうか。 【事案の概要】 原告労働者X(女性)と被告労働者Y1(男性)は、被告Y2社の従業員と […]
【不利益変更】Case614 他の手当の増額と同時に行われた特殊業務手当を廃止する就業規則の変更が部分的に無効とされた事案・国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター事件・東京高判令7.3.27労判1333.5
労働者に有利な部分も不利な部分もある就業規則の変更がされた場合、不利な部分の変更が無効であると主張することはできるのでしょうか。国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター事件は、他の手当の増額と同時に法人が一方的に実 […]
【解雇事件マニュアル】Q82解雇理由証明書に記載のない解雇理由を追加することは許されるか
解雇時に客観的に存在していたが、使用者が解雇理由証明書に記載しなかった解雇理由を、訴訟等において事後的に追加することは許されるか。 原則これを許さないとする学説も強く主張されている(水町『詳解労働法』1032頁など) […]
【労災】Case613 労働者の特異な行動や私生活上の出来事を考慮しても長時間労働による双極性障害発症の業務起因性が認められた事案・トワード事件・福岡地判令5.2.28労判1332.98
精神障害が発病したとされる以前から労働者に特異な行動が見られた場合でも業務起因性が認められるのでしょうか。本件は、物流センターで長時間労働に従事していた労働者が双極性障害を発症した事案において、労働者の特異な行動や私生活 […]
【解雇事件マニュアル】Q81普通解雇の理由を後から追加することはできるか
1 解雇の意思表示時点で存在していた事由の追加 使用者が、労働者に普通解雇を通告した際には主張していなかった事由を、解雇訴訟等において後から解雇理由に追加して主張することがある。このような解雇理由の事後的な追加は許され […]
【残業代】Case612 使用者が労働時間管理を行っていない場合、労働者の概括的な主張に沿って労働時間を認定することも許容されるとした事案・大栄青果事件・福岡高判令6.2.15
使用者がタイムカード等による時間管理を全く行っておらず、労働時間の証拠がほとんどない場合でも、残業代請求は認められるのでしょうか。 大栄青果事件は、青果物卸売業者の従業員が、会社に対して残業代請求した事案です。特に労働時 […]
【不当解雇】Case611 懲戒免職処分無効確定後における職場復帰期待権侵害が認められ、公務員のバックペイからの中間収入控除が否定された事案・富士吉田市(職場復帰期待権侵害等)事件・甲府地判R5.6.27労判1332.70
解雇無効確定後に使用者が労働者を職場復帰させなかった場合、労働者は使用者に対して期待権侵害を主張して損害賠償請求することができるのでしょうか。本件は、懲戒免職処分が無効と確定した公務員(歯科医師)が、元の職場環境への復帰 […]
【解雇事件マニュアル】Q80就業規則上の懲戒解雇事由により普通解雇することができるか
就業規則上の解雇事由が限定列挙である場合に、懲戒解雇事由として列挙されている事由によって労働者を普通解雇することはできるのであろうか。 菅野ら『労働法』768頁は、就業規則上の解雇事由について限定列挙説を採用した上、 […]


