【解雇事件マニュアル】Q31労基法上の産前産後休業中の労働者の解雇制限とは
(労基法19条) 使用者は、労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業する期間及びその後三十日間並びに産前産後の女性が第六十五条の規定によつて休業する期間及びその後三十日間は、解雇してはならない。ただし、使 […]
Case530 1年契約を4回更新された非常勤講師の更新の合理的期待の程度が高いとはいえないとしつつ能力不足による雇止めを無効とした事案・学校法人玉手山学園(関西福祉科学大学)事件・京都地判令5.5.19労判1308.78
(事案の概要) 原告労働者は、平成28年4月に被告法人と1年間の有期雇用契約を締結し、本件大学において必修科目であるA語の科目を担当する非常勤講師として勤務していました。原告の契約は4回更新されましたが、5年目で授業評 […]
Case529 組合による不当労働行為救済命令申立てが会社に対する不法行為に当たるとはいえないとされた事案・よこはまシティユニオン(ユーコーコミュニティー)事件・東京高判令5.11.15労判1308.44
(事案の概要) 原告会社が、被告労働組合に対して損害賠償請求した事案です。 会社は、組合員である従業員Aに対して損害賠償債務不存在確認を求める別件訴訟①(>ユーコーコミュニティー従業員事件)、Aによるメール送信が不法 […]
【解雇事件マニュアル】Q30打切補償による解雇が解雇権濫用に当たる場合はあるか
労基法81条の打切補償が支払われ、同法19条1項の解雇制限が適用されないとしても、労契法16条の解雇権濫用法理は適用されるため、業務上の傷病を理由とする解雇が必ず有効になるわけではない。 もっとも、アールインベストメ […]
【解雇事件マニュアル】Q29労災保険法上の療養補償給付を受ける労働者も打切補償の対象になるか
(労基法81条) 第七十五条の規定によつて補償を受ける労働者が、療養開始後三年を経過しても負傷又は疾病がなおらない場合においては、使用者は、平均賃金の千二百日分の打切補償を行い、その後はこの法律の規定による補償を行わな […]
Case528 職種限定合意がある場合には使用者に配転命令権はないとして解雇回避を理由とする配転命令を有効とした原判決を破棄した最高裁判例・社会福祉法人滋賀県社会福祉協議会事件・最判令6.4.26労判1308.5
(事案の概要) 原告労働者は、平成13年に、公の施設である社会福祉センターの一部である福祉用具センターにおいて、指定管理者等として福祉用具の展示・普及、利用者からの相談に基づく用具の改造・製作ならびに技術開発等の業務を […]
【解雇事件マニュアル】Q28業務上災害による療養者の解雇制限の例外は
1 労基法81条の打切補償を支払う場合 1つ目の例外として、労基法19条1項ただし書は、使用者が労働者に対して同法81条の規定による打切補償を支払う場合には、同法19条1項本文の解雇制限を適用しないとしている。 同法8 […]
【解雇事件マニュアル】Q27退職扱いにも労基法19条1項が適用されるか
就業規則上の休職期間満了の効果として、休職期間満了が解雇事由とされていることもあれば、休職期間満了をもって自然退職したものと扱うなどとされていることもある。後者の退職扱いにも労基法19条1項による制限が適用されるのかが […]
【解雇事件マニュアル】Q26労基法19条1項の「休業」には一部休業も含まれるか
労基法19条1項の「休業」には、一部出勤しながら治療のため通院しているような一部休業も含まれるのか。 この点、厚労省『労基法上』288頁は、労基法19条1項本文の「休業」とは、原則として全部休業の意であって、出勤しな […]
Case527 学生に対する複数のハラスメントを理由とする停職処分が教授会の議を経ていない手続上の重大な瑕疵があるとして無効とされた事案・国立大学法人愛知教育大学事件・名古屋地判令3.1.27労判1307.64
(事案の概要) 本件は、被告法人が設置する大学において教授として勤務する原告労働者が、学生に対するハラスメントを理由にされた停職6週間の懲戒処分(本件処分)の無効確認等を求めた事案です。なお、本件処分を理由とする損害賠 […]