今日の労働裁判例
【残業代】Case550 外務省職員について自己申告の超勤時間に基づいた超勤手当の請求が認められた事案・国(外務省職員・俸給等請求)事件・横浜地判令4.9.7労判1316.61

(事案の概要)  外務省の任期付公務員(外務事務官)であった原告労働者は、超過勤務をするたびに職場のクローズドLAN上にある「超勤調べ」のファイルにアクセスして、終業時間及び超勤時間を記入していました。  しかし、国は、 […]

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解雇事件マニュアル
【解雇事件マニュアル】Q57試用期間延長には使用者の明示の意思表示が必要か

 試用期間の延長の要件として、使用者が労働者に対して試用期間の延長の意思表示をすることが必要であるとされている(白石『労働関係訴訟の実務』452頁)。この試用期間の延長の意思表示は、試用期間満了前に明示的にされる必要があ […]

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解雇事件マニュアル
【解雇事件マニュアル】Q56合意により試用期間を延長できるか

 労働契約上に試用期間延長の根拠がない場合に、労働者と使用者との合意により試用期間を延長することが許されるか。  当初の試用期間満了時に使用者が労働者を有効に本採用拒否できる場合に、これを猶予して使用者が一方的に試用期間 […]

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今日の労働裁判例
【残業代、文書提出命令】Case549 労働時間管理に使用していた手書きの紙を破棄したという会社の主張を認めず文書提出を命じた事案・對馬(文書提出命令・抗告)事件・東京高決令5.11.14労判1317.31

(事案の概要)  文書提出命令の事件です。  原告労働者ら2名は、被告会社に対して残業代請求訴訟を提起していました。  原告らは、原告らが出勤時、退勤時、休憩開始時、休憩終了時の都度手書きで時刻を記載した紙(本件文書)を […]

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解雇事件マニュアル
【解雇事件マニュアル】Q55使用者による一方的な試用期間の延長は許されるか

1 はじめに  当初設定された試用期間が経過しても労働者の適正等が判断できないとして、使用者が一方的に試用期間を延長することは許されるか。 2 労働契約上の根拠がある場合  この点、当初から就業規則等で延長の可能性及びそ […]

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今日の労働裁判例
【労働者性、フリーランス】Case548 契約書なく倉庫作業に従事した者が雇用保険法、厚生年金法及び健康保険法上の労働者に当たるとされた事案・国・労働保険審査会ほか(共立サポート)事件・大阪地判令5.4.12労判1316.46

(事案の概要)  原告会社が、労働保険審査会がした本件労働者に原告会社を事業者とする雇用保険の被保険者資格を認める裁決並びに社会保険審査官がした本件労働者に原告会社を適用事業所とする厚生年金保険及び健康保険の被保険者資格 […]

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解雇事件マニュアル
【解雇事件マニュアル】Q54試用期間の長さに制限はあるか

 菅野ら『労働法』270頁によると、試用期間は3か月が最も多く、それを中心に1か月から6か月に渡っている。試用期間について規制する法令はなく、その長さは各使用者の就業規則等に委ねられている。  もっとも、試用期間の一部が […]

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解雇事件マニュアル
【解雇事件マニュアル】Q53試用期間中の解雇が無効になった場合残りの試用期間はどうなるか

 例えば、3か月の試用期間のうち2か月経過時点でなされた解雇が判決で無効とされた場合、口頭弁論終結時点では既に本来の試用期間を経過しているものと思われる。この場合、労働者は試用期間を満了したことになるのか、それとも無効な […]

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今日の労働裁判例
【労災、精神障害】Case547 労働者の疾病は双極性障害であったとしてうつ病を前提に症状固定とした労災不支給決定が取り消された事案・国・土浦労基署長(大東建物管理)事件・東京高判令6.1.31労判1316号22頁

(事案の概要)  原告労働者は、平成24年9月、平成20年6月頃に業務に起因して軽症うつ病エピソードを発病していたとして労災認定を受けました。平成25年3月、原告のA主治医は、原告について「うつ病」と診断しました。  平 […]

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解雇事件マニュアル
【解雇事件マニュアル】Q52試用期間満了前に留保解約権を行使して解雇することは許されるか

 試用期間と関係なく、試用期間中に労働者に通常の解雇事由や懲戒解雇事由が生じた場合には、試用期間中の解雇も当然許されるであろう。この場合の解雇は、試用期間により留保された解約権の行使によるものではない。  では、使用者が […]

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