Case102 授業のみに従事する大学の非常勤講師が無期転換の例外の「研究者」に当たらないとされた事案・学校法人専修大学(無期転換)事件・東京高判令4.7.6労判1273.19
(事案の概要) 原告労働者は、平成元年から語学の授業を担当する非常勤講師として被告法人と有期雇用契約を更新し続け、労働契約法18条1項に基づき無期転換の申込みをしましたが、被告法人は、無期転換申込権を認めない取扱いをし […]
Case101 統合失調症により意思能力を欠いた状態で提出された退職願を無効とした事案・長崎市事件・福岡高判令3.10.14
(事案の概要) 被告長崎市の選挙管理委員会で働いていた原告労働者は、平成4年に「幻覚・妄想状態」と診断され、「心身衰弱状態」の診断書を提出して病気休暇を取得していました。また、平成17年に「統合失調症」の診断書を提出して […]
Case100 労基法上の労働時間とは労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいうとした最高裁判例・三菱重工長崎造船所事件・最判平12.3.9労判778.11【百選10版35】
(事案の概要) 被告会社では、始業は所定の作業時刻に作業場において実作業を開始し、作業服への更衣、安全衛生保護具等の装着は始業前に行うこととされ、終業は所定の終業時刻に実作業を終え、終業後に更衣等を行うものとされていま […]
Case99 公民権の行使等に要した時間に対応する賃金を支給しないこととする就業規則の不利益変更の合理性が否定された事案・全日本手をつなぐ育成会事件・東京地判平23.7.15労判1035.105
(事案の概要) 被告法人では、旧就業規則に「公民権行使のため遅刻または早退した時は、届け出により遅刻、早退のとり扱いをしない。」との規定がありましたが、本件就業規則変更により廃止されました。 被告法人で働く原告労働者 […]
Case98 復職要件に「健康時と同様」の業務遂行が可能であることを付加する就業規則の不利益変更が不合理であるとされた事案・アメックス(休職期間満了)事件・東京地判平26.11.26労判1112.47
(事案の概要) 原告労働者は、業務外傷病(うつ状態)により休職していました。 原告の休職中、会社は就業規則に「復職とは従来の業務を健康時と同様に通常業務遂行できる状態の勤務を行うこと」などとする規定を新設しました。 […]
Case97 所定休日を減らす就業規則変更の合理性が否定され、休日として行使できる地位の確認が認められた事案・フェデラルエクスプレスコーポレーション事件・東京地判平24.3.21労判1051.71
(事案の概要) 本件は、原告ら労働者107名が、被告会社に対して、会社の定める休日とされていた4日間を休日から削除した就業規則の変更には合理性がないとして、上記4日間を休日として行使できる地位にあることの確認を求めた事 […]
Case96 契約更新の上限を満50歳とする就業規則の不利益変更の合理性を事実上否定し、年齢を理由とする雇止めを無効とした事案・市進事件・東京高判平27.12.3労判1134.5
(事案の概要) 原告労働者Aは、専任教務社員(50歳まで)ないし特別嘱託専任社員(51歳)として約20年間、契約期間1年の雇用契約を更新してきましたが、50歳を超えたという理由で被告会社から雇止めされました。 原告労 […]
Case95 代償措置等のない70歳から67歳への定年引下げが不合理な就業規則の不利益変更であるとされた事案・大阪経済法律学園事件・大阪地判平25.2.15労判1072.38
(事案の概要) 原告労働者らは、被告法人が運営する大学の教授として勤務していました。 被告法人では、昭和55年に教授ら専任教員の定年を満70歳とする教員定年規程が制定されていました。 被告法人は、平成21年、原告労 […]
Case94 就業規則中の運行手当明細表の改定による不利益変更の合理性が否定された事案・中野運送店事件・京都地判平26.11.27労判1124.85
(事案の概要) 被告会社は、経営上の理由から就業規則の運行手当明細表を変更し(本件改定)、原告ら運転手の賃金を減額しました。 本件は、原告ら13名が、運行手当明細表の不利益変更の無効を主張し、変更前の運行手当明細表に […]
Case93 人件費削減目的でないにもかかわらず賃金減額をもたらし代償措置も不十分である賃金制度の変更が不合理であるとされた事案・社会福祉法人賛育会事件・東京高判平22.10.19労判1014.5
(事案の概要) 被告法人は、多くの福祉施設が成果型賃金制度を導入しており、被告法人においても同様に年功序列型賃金制度から成果主義型賃金制度に変更する必要性があるとして、職能資格制度を導入するとともに、就業規則や賃金規程 […]