今日の労働裁判例

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【男女差別、損害賠償】Case540 総合職にのみ社宅制度を適用し一般職に適用しないことが女性労働者に対する間接差別に該当するとされた事案・AGCグリーンテック事件・東京地判令6.5.13労判1314.5

(事案の概要)  女性である原告労働者は、平成20年7月から被告会社で一般職の正社員として勤務していました。  会社では、転勤がある総合職には社宅制度があり、転勤のない一般職には社宅制度がありませんでした(代わりに住宅手 […]

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【損害賠償】Case539 上司が市の職員同士の交際に不当に介入したことが国賠法上違法とされた事案・豊前市(パワハラ)事件・福岡高判平25.7.30

(事案の概要)  離婚歴があり独身であった原告労働者は、平成20年4月に被告豊前市の同じ課で働く女性Aと交際を開始しました。Aは同年7月に別の課に異動になりました。  同月、原告はB課長に呼び出され、市民から「Aと男性が […]

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【不当解雇、配置転換】Case538 解雇無効の判決が確定した後にされた福岡県から福島県への配置転換命令が不当な動機・目的によるものとして無効とされた事案・学校法人コングレガシオン・ド・ノートルダムほか(明治学園)事件・福岡地小倉支判令5.9.19労判1313.54

(事案の概要)  原告労働者は、被告法人Aが設置・運営していた福岡県の中学・高校(本件学校C)に教員として20年以上勤めていました。  被告法人Aは、平成29年8月に原告を解雇しましたが、令和3年1月に解雇無効の判決が確 […]

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【パワハラ、損害賠償】Case537 産業医が保健師との定例ミーティングを中止及び廃止したこと並びに無視や差別的な対応をしたことが違法なパワハラに当たるとされた事案・任天堂ほか事件・京都地判令6.2.27労判1313.5

(事案の概要)  原告労働者2名は、派遣会社A社に雇用され、紹介予定派遣として、被告会社の健康相談室において保健師として働いていました。  原告らは、健康相談室における上司に当たる被告産業医から定例ミーティングの中止及び […]

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【損害賠償】Case536 上司が部下の財布と通帳の中身を点検したことや出社確保のために携帯電話や運転免許証を預かった行為が違法とされた事案・コスモアークコーポレーション事件・大阪地判平25.6.6労判1082.81

(事案の概要)  原告労働者は、平成21年3月から平成23年6月27日まで、被告会社において美容器具の営業を行っていました。  原告は、会社に入社後、金融業者から借金をしていました。それを知った被告上司は、返済の指導のた […]

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【労働組合、労働者性、フリーランス、不当労働行為】Case535 業務委託契約の塾講師について労組法上の労働者性を認め契約更新拒否が不当労働行為に当たるとした事案・国・中労委(学校法人河合塾)事件・東京地判令5.9.26労判1312.31

(事案の概要)  中央労働委員会による不当労働行為救済命令に対して、原告法人が取消訴訟を提起した事案です。  本件労働組合のC書記長は、業務委託契約の講師として出講契約を更新してきていましたが、法人は、校舎内でのビラ配布 […]

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【労働組合、不当労働行為】Case534 団交応諾を命じる救済命令が確定していないことを理由とする団交拒否が組合の期待権を侵害し違法であるとされた事案・京都市(救済命令不実施)事件・京都地判令5.12.8労判1311.52

(事案の概要)  原告労働組合ら(組合及びその下部組織)は、被告京都市が運営・委託する児童館等の職員が加入する労働組合として、平成2年から毎年のように京都市と団体交渉をしてきました。  ところが、令和2年、京都市は組合ら […]

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【不当解雇、試用期間】Case533 条件付採用期間中の地方公務員に対する本採用拒否の分限免職処分が裁量権の行使を誤ったものとして取り消された事案・宇城市(職員・分限免職)事件・福岡高判令5.11.30労判1310.29

(事案の概要)  原告労働者は、被告市に臨時職員として2か月間勤務した後、大学卒業と同時に被告市に採用されました。地方公務員法22条は「職員の採用は、全て条件付きのものとし、当該職員がその職において六月の期間を勤務し、そ […]

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【退職無効、不当解雇、損害賠償】Case532 転籍出向に伴う退職の意思表示を心裡留保により無効とし解雇理由を示さずにされた解雇について慰謝料請求まで認めた事案・アイウエア事件・東京高判令4.1.26労判1310.131

(事案の概要)  原告労働者は、被告会社と無期雇用契約を締結し、平成25年6月1日から都内の本社で勤務し、同月13日から中国上海市にある本件塾において語学の講師として赴任しました。  被告会社は、原告が平成25年9月30 […]

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【芸能人、フリーランス、労働者性】Case531 アイドルの労働者性が肯定され1回200万円の違約金条項が無効とされた事案・ファーストシンク事件・大阪地判令5.4.21労判1310.107

(事案の概要)  原告会社が、会社がマネジメントする男性アイドルグループの元メンバーである被告に対して違約金請求をし、被告メンバーが会社に対して未払賃金請求の反訴をした事案です。  被告メンバーが会社と締結した専属マネジ […]

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