残業代
Case553 獣医師の能力不足を理由とする本採用拒否を無効とするとともに休日割増を含むのか判然としない固定残業代の定めを無効とした事案・ファニメディック事件・東京地判平25.7.23労判1080.5
(事案の概要) 獣医師である原告労働者は、被告会社と試用期間6か月の雇用契約を締結しました。 会社は、臨床能力の不足(院内で実施する学科試験の成績が悪い、診療内容に多くの問題がある、カルテの記載に不備が多い、診療検数 […]
Case550 外務省職員について自己申告の超勤時間に基づいた超勤手当の請求が認められた事案・国(外務省職員・俸給等請求)事件・横浜地判令4.9.7労判1316.61
(事案の概要) 外務省の任期付公務員(外務事務官)であった原告労働者は、超過勤務をするたびに職場のクローズドLAN上にある「超勤調べ」のファイルにアクセスして、終業時間及び超勤時間を記入していました。 しかし、国は、 […]
Case549 労働時間管理に使用していた手書きの紙を破棄したという会社の主張を認めず文書提出を命じた事案・對馬(文書提出命令・抗告)事件・東京高決令5.11.14労判1317.31
(事案の概要) 文書提出命令の事件です。 原告労働者ら2名は、被告会社に対して残業代請求訴訟を提起していました。 原告らは、原告らが出勤時、退勤時、休憩開始時、休憩終了時の都度手書きで時刻を記載した紙(本件文書)を […]
Case542 飲食店の店員についてランチタイムとディナータイムの間も業務が発生し休憩することができなかったとされた事案・月光フーズ事件・東京地判令3.3.4労判1314.99
(事案の概要) 本件は、被告会社が経営するお好み焼き店で社員ないしアルバイトとして勤務していた原告ら労働者2名が、会社に対して残業代や未払賃金の請求をした事案です。 争点は、賃金減額の有効性、住宅手当の除外賃金該当性 […]
Case532 転籍出向に伴う退職の意思表示を心裡留保により無効とし解雇理由を示さずにされた解雇について慰謝料請求まで認めた事案・アイウエア事件・東京高判令4.1.26労判1310.131
(事案の概要) 原告労働者は、被告会社と無期雇用契約を締結し、平成25年6月1日から都内の本社で勤務し、同月13日から中国上海市にある本件塾において語学の講師として赴任しました。 被告会社は、原告が平成25年9月30 […]
Case516 月80時間を大幅に超える月約150時間分に相当する残業代として職務手当を支払うことは当事者の意思に反するとして固定残業代を無効とした事案・国・渋谷労基署長(カスタマーズディライト)事件・東京地判令5.1.26労判1307.5
(事案の概要) 本件会社においてマネージャー兼料理長として業務に従事していた原告労働者は、業務に起因して精神障害を発症したとして、労災申請し、休業補償給付の支給決定を受けました。 しかし、労基署は、職務手当が固定残業 […]
Case515 出勤簿ではなく労働者作成のノートによって実労働時間を認定し変形労働時間制を無効とした事案・エイチピーデイコーポレーション事件・那覇地沖縄支判令4.4.21労判1306.69
(事案の概要) 本件は、被告会社が経営する本件ホテルの従業員であった原告労働者が残業代請求をした事案です。 本件ホテルでは、タイムカード等による客観的な労働時間管理はされておらず、出勤簿の作成により労働時間管理がなさ […]
Case513 募集要項の記載から無期雇用契約の成立を認定したうえ有期雇用への変更合意を否定し労働者の「退勤」のツイートを終業時刻と認定した事案・司法書士法人はたの法務事務所事件・東京高判令5.3.23労判1306.52
(事案の概要) 原告労働者は、被告法人が求人サイトに掲載していた庶務事務の募集要項をみて、これに応募しました。募集要項には、「雇用形態 正社員」「試用期間3か月」と記載されていました。原告は、採用面接において法人から雇 […]
Case509 裏方業務及び公演出演について劇団員の労基法上の労働者性が認められた事案・エアースタジオ事件・東京高判令2.9.3労判1236.35
(事案の概要) 原告労働者は、会社が運営する本件劇団に劇団員として入団しました。 本件劇団は、年末には翌年の公演の年間スケジュールを組み、2つの劇場を利用して年間約90本の公演を行っていました。 劇団員は、公演への […]
Case490 売上の10%の残業手当が時間外労働等の対価として支払われたものとは認められないとされた事案・久日本流通事件・札幌地判令5.3.31労判1302.5
(事案の概要) 長距離トラックドライバーである原告労働者が、被告会社に対して残業代請求した事案です。 会社の賃金規程では、残業手当は、基本給+諸手当に一定の乗率および労働時間を乗じたものとされていましたが、実際には売 […]