退職勧奨

今日の労働裁判例
Case394 周知された早期退職者優遇規程の内容と同一の退職合意が成立していたとして規程通りの増額退職金の支払請求が認められた事案・朝日広告社事件・大阪高判平11.4.27労判774.83

(事案の概要)  被告会社は、人件費削減のため、平成6年度から毎年、取締役会で早期退職制度の対象年齢と増額退職金額等を決議し、その内容を早期退職者優遇規程として従業員に回覧していました。  会社の取締役会は、平成9年度の […]

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Case369 就業規則に試用期間延長の規定がない場合、やむを得ない事情がない限り労働者の同意を得たとしても試用期間の延長は無効であるとした事案・明治機械事件・東京地判令2.9.28判時2493.103

(事案の概要)  原告労働者は、被告会社と試用期間3か月の無期雇用契約を締結しました。雇用契約や就業規則に試用期間延長の定めはありませんでした。  会社は、試用期間満了前に原告に対して、試用期間を1か月延長する旨の試用期 […]

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Case360 警察学校入学者に対して無断でHIV検査を行い陽性であったことを理由に辞職勧奨した行為がプライバシー侵害の違法行為であるとされた事案・東京都(警察学校・警察病院HIV検査)事件・東京地判平15.5.28労判852.11

(事案の概要)  原告労働者は、警視庁警察官採用試験に合格し、警察学校に入学手続きをして警察官に任用されました。その後、原告らは身体検査の一環として血液を採取されましたが、これがHIV検査であることは説明されませんでした […]

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Case266 退職勧奨が不法行為に該当する評価基準を示した最高裁判例・下関商業高校事件・最判昭55.7.10労判345.20【百選10版69】

(事案の概要)  原告労働者らは、被告市教育委員会が設置する高校の教員でした。  委員会は、教員の新陳代謝をはかり適正な年齢構成を維持するために、高年齢教員を対象に退職勧奨を実施してきました。  原告Aは昭和40年度から […]

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Case260 私生活の非行を理由として行われた警察官に対する執拗な退職勧奨等が違法であるとして慰謝料請求が認められた事案・山口県事件・広島高判令4.4.21判時2550.43

(事案の概要)  原告労働者は、山口県警察の警察署で警察官として勤務していました。  原告は、私生活で多額の借金を抱えており(借金問題)、既婚女性と不貞関係にありました(女性問題)。  警察署長らは、借金問題と女性問題を […]

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Case226 会社のヤミカルテル等をマスコミに内部告発したことを理由とする不利益取扱い等を違法とした事案・トナミ運輸事件・富山地判平17.2.23労判891.12【百選10版57】

(事案の概要)  原告労働者は、被告会社と他社との間で認可運賃枠内での最高運賃収受や荷主異動(顧客争奪)禁止を内容とするヤミカルテルが取り決められていく様子等を知り、これらをマスコミに告発し、報道されました。  原告は、 […]

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Case207 労働者の行為が犯罪に当たるとの虚偽の説明をされて書かされた退職届が錯誤無効とされた事案・テイケイ事件・東京高判令5.2.21

(事案の概要)  担当事件です。  原告労働者は、警備員として福井県の現場に派遣されていました。  原告は、未払い賃金等について被告会社と交渉するため、同じく福井に派遣されていた2名とともに労働組合に加入したばかりでした […]

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Case161 労働者の退職の意思表示はその経緯等を踏まえて労働者の自由な意思に基づくものでなければならないとして退職合意を無効とした事案・グローバルマーケティングほか事件・東京地判令3.10.14労判1264.42

(事案の概要)  原告労働者は、被告会社で基本給30万円+歩合給の美容師として働いていましたが、会社は、原告の給与を基本給25万円+歩合給に変更しました。被告代表者は、減給に先立ち、全従業員が参加するミーティングにおいて […]

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Case150 職種限定の労働者につき復職後直ちに従前の業務に復帰できない場合でも比較的短期間で復帰可能な場合には債務の本旨に従った労務の提供がないとはいえないとした事案・全日本空輸(退職強要)事件・大阪高判平13.3.14労判809.61

(事案の概要)  職種限定契約により客室乗務員として勤務していた原告労働者は、通勤中の交通事故により約4年間休職しました。原告は、復職後に客室乗務員としての復帰者訓練を受けましたが3回とも不合格とされました。被告会社は、 […]

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Case107 退職勧奨における上司の発言が不法行為に該当するとされた事案・東武バス日光ほか事件・東京高判令3.6.16労判1260.5

(事案の概要)  バスの運転手である原告労働者は、乗客の高校生らに対する暴言等があったとして、上司複数名と2回に渡りそれぞれ約1時間面談をしました。その面談の中で、原告が「反省している」「辞めたくない」と繰り返し述べてい […]

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