損害賠償
Case252 整理解雇的雇止めを無効とし育児休業を拒否されたことに対する慰謝料請求を認めた事案・日欧産業協力センター事件・東京高判平17.1.26労判890.18
(事案の概要) 原告女性労働者は、被告会社と1年間の有期雇用契約を締結しました。本件雇用契約には自動更新条項があり、5年間自動更新されていました。 原告が会社に対して育児休業の取得を申し出たところ、会社は原告に対して […]
Case250 56時間ないし42時間分の固定残業代を導入する就業規則の変更が合理性を欠き無効とされた事案・インターメディア事件・東京地判令4.3.2
(事案の概要) 被告会社は、就業規則を変更し、業務手当を56時間ないし42時間分の固定残業代として支払う旨の本件規定を導入するなどしました(本件変更)。 これにより、原告労働者の給与は、基本給20万円とその他手当の合 […]
Case247 取締役が解雇を恐れる労働者の気持ちを利用して2年以上に渡り性的関係を持ったうえ解雇したことについて会社の使用者責任が認められた事案・ローカスト事件・東京高判令4.2.10
(事案の概要) 原告労働者(女性)は、平成26年8月に被告会社の飲み会で酔いつぶれた後、気付いた時には社長の息子である被告取締役の自宅で被告取締役から意に反する性的暴行を受けていました。 原告は、解雇を恐れて誰にも相 […]
Case246 適応障害による休職後トラウマを訴え強く異動を求める職員を漫然と同じ職場で働かせ続けたことが国賠法上違法とされた事案・千代田区事件・東京高判令4.5.20
(事案の概要) 千代田区の福祉職員である原告労働者(男性)は、平成24年4月からA保育園で保育士として勤務するよう命じられましたが(本件異動)、すぐに適応障害を発症し約1年間欠勤・休職しました。原告は、A保育園に復職し […]
Case241 契約形式が業務委託契約に変更された後も労働契約該当性があるとして残業代や保険料相当額の損害賠償が認められた事案・GT-WORKS事件・大阪地判令4.5.20
(事案の概要) 原告労働者は、被告会社と労働契約を締結して土木工事施工管理等の業務に従事していましたが、会社の求めに応じて契約の形式が業務委託契約に変更されました。 これにより会社から健康保険等の資格を喪失したとされ […]
Case239 市の責任者が記者に対してした性的暴行やその後の二次被害防止義務違反について国賠法上の責任が認められた事案・長崎市事件・長崎地判令4.5.30
(事案の概要) 原告(女性)は、訴外会社に勤務する記者でした。原告は、被告長崎市の平和記念式典(本件式典)の取材に関連して、長崎市の原爆被爆対策部長であったC部長から、同意のない性的暴行(本件暴行)を受けました。 C部長 […]
Case235 従業員らがアルバイトに対して繰り返し「仕事したの。」と聞く等の嫌がらせをしたことが共同不法行為に当たるとされた事案・しまむらほか事件・東京地判令3.6.30労判1272.77
(事案の概要) 本件は、アルバイトとして勤務していた原告労働者が、同じ店舗の被告従業員2名からパワー・ハラスメントを受けたとして、被告従業員2名及び会社に対して損害賠償請求した事案です。 被告従業員2名は、勤務時間中 […]
Case234 元代表取締役の労働者に対する言動による精神疾患発症について業務起因性及び会社の安全配慮義務違反が認められた事案・葵宝石事件・東京地判令4.2.17
(事案の概要) 原告労働者は、被告会社の事務所で勤務していました。原告は、事務所に居住する元代表取締役Aから、買物等の日常的な雑務を行うよう指示され、指示に従わなければ解雇する旨や、早朝からの出勤を求められる等の言動を […]
Case232 顧客車両の運行・保守管理を業務とする運転手について自宅近くの車庫と顧客の自宅を顧客車両で移動する時間が労働時間に当たるとして過労死に対する会社の安全配慮義務違反が認められた事案・セーフティ事件・横浜地判令4.4.27労働判例ジャーナル125.1
(事案の概要) 本件労働者は、会社役員車等の運行・保守管理の請負等を業とする被告会社に雇用され、顧客の役員付の運転手として勤務し、月平均約150時間の時間外労働の末、勤務中に心筋梗塞を発症して死亡しました。本件労働者に […]
Case226 会社のヤミカルテル等をマスコミに内部告発したことを理由とする不利益取扱い等を違法とした事案・トナミ運輸事件・富山地判平17.2.23労判891.12【百選10版57】
(事案の概要) 原告労働者は、被告会社と他社との間で認可運賃枠内での最高運賃収受や荷主異動(顧客争奪)禁止を内容とするヤミカルテルが取り決められていく様子等を知り、これらをマスコミに告発し、報道されました。 原告は、 […]