Case43 学生に対する発言等を理由とする懲戒解雇及び懲戒降格処分が無効とされた事案・学校法人國士館ほか事件・東京地判令2.10.15労判1252.56

(事案の概要)

原告A

 大学教授である原告Aは、卒論研修に参加した学生28名に対して、急逝したK教授について「学長に殺されたと思っています。」などと発言したことなどを理由に被告法人から懲戒解雇(予備的に普通解雇の主張。)されました。

 原告Aは、解雇の無効を主張し、被告法人に対して雇用契約上の地位確認及びバックペイの支払(賞与含む)、被告法人及び被告学長に対して損害賠償請求しました。

原告B

 同じく大学教授である原告Bは、卒論指導の際学生に対して「あなたの人生は終わっている。」などと述べたことなどを理由に被告法人から懲戒降等級処分(主位的に専任講師、予備的に准教授へ降格)を受けました。

 また、上記を理由に授業から外され、5コマ以上の授業を担当する場合に支払われる超コマ手当が支払われなくなりました。

 原告Bは、懲戒降等級処分の無効を主張して被告法人に対して教授としての地位確認及び差額賃金の支払、授業担当外しの無効を主張して超コマ手当の支払を求め、被告法人及び被告学長に対して損害賠償請求した事案です。

(判決の要旨)

原告A

 判決は、原告Aの発言は被告らの社会的評価を低下させ懲戒事由に当たるとしながら、解雇は重きに失し、社会的相当性を欠くとして、懲戒解雇(普通解雇も含む。)を無効とし、被告らに対する150万円の慰謝料請求も認めました。

原告B

 判決は、原告Bの発言は学生の人格を否定し指導の範囲を逸脱し懲戒事由に当たるとしながら、処分は重きに失し、社会的相当性を欠くとして、懲戒降等級処分を無効としました。

 また、大学の専任教員にとって授業担当は、労働契約上の義務にとどまらず、権利でもあり、合理的理由がない授業担当の制限は権利濫用として無効とし、すでに教育課程の編成が決定し原告Bの担当が決まっていた授業に対する授業外しは無効とし、超コマ手当の請求を一部認めました。

 被告らに対する100万円の慰謝料請求も認めました。

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