Case132 脳内出血で歩行困難等の後遺症が生じた車両技術者につき工具室での就業が可能であったとして休職期間満了による退職扱いを無効とした事案・東海旅客鉄道(退職)事件・大阪地判平11.10.4労判771.25

(事案の概要)

 被告会社と職種限定のない雇用契約を締結し、車両技術業務等に従事していた原告労働者は脳内出血で倒れ病気休職しました。3年の休職期間満了前に、原告は会社に対して復職の意思表示をしましたが、会社は、原告に歩行困難及び構語障害等の後遺症があり従事させられる業務がないとして原告の復職を認めず休職期間満了により退職扱いとしました。原告は、歩行については多少のふらつきがあり、時間がかかるものの、杖なしに独立の歩行が可能な状態でした。

 本件は、原告が退職扱いの無効を主張し、雇用契約上の地位の確認及び賃金支払いを求めた事案です。

(判決の要旨)

 判決は、>片山組事件同様、労働者が職種限定のない雇用契約を締結している場合は、休職前の業務について労務の提供が十全にはできないとしても、会社は、雇用契約上の信義則により、その能力、経験、地位、使用者の規模や業種、その社員の配置や異動の実情、難易等を考慮して、配置替え等により現実に配置可能な業務の有無を検討し、これがある場合には、当該労働者に右配置可能な業務を指示すべきであるとしたうえ、少なくとも原告は会社の工具室での業務は就業可能であったと判断し、退職扱いを無効としました。

※控訴

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