Case147 休職事案において労働者側が配置可能性のある業務で就労可能であることを立証すれば休職事由の消滅について事実上の推定が働くとした裁判例・第一興商(本訴)事件・東京地判平24.12.25労判1068.5

(事案の概要)

 原告労働者は、パソコン画面等が全て白色になり見えなくなる視覚障害を生じ、1年間の休職を命じられ、1年後に休職期間満了により退職扱いとされました。

 本件は、原告が退職扱いの無効を主張して雇用契約上の地位の確認等を求めた事案です。

 原告は視覚障害の業務起因性や休職命令の違法性等も主張しましたが否定されました。

(判決の要旨)

 判決は、>片山組事件を参照して「労働者が配置される現実的可能性があると認められる他の業務について労務の提供をすることができる」場合には復職可能としたうえ、休職事由の消滅の主張立証責任について、労働者の側にあるとしつつ、会社における労働者の配置、異動の実情等といった内部の事情についてまで労働者が立証し尽くすのは困難であることが多いことからすれば、労働者の側で配置される可能性のある業務について労務の提供をすることができるとの立証がなされれば、休職事由が消滅したことについて事実上の推定が働き、これに対し使用者が労働者を配置できる現実的可能性がある業務が存在しないことについて反証を挙げない限り、休職事由の消滅が推認されるとしました。

 そして、原告は事務職としての通常の業務を遂行することが可能であったと推認できるとして、退職扱いを無効としました。

※控訴

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