Case187 シフト制の医師につき固定した勤務日および勤務時間の合意があったとしてシフト削減を無効とした事案・医療法人社団新拓会事件・東京地判令3.12.21労判1266.44

(事案の概要)

 原告労働者は、医師として被告法人とアルバイト雇用契約を締結していました。原告は当初、法人が募集した曜日・時間帯のシフトにその都度応募し勤務するスポットという形式で働いていましたが、固定の曜日・時間帯のシフトで働くレギュラー勤務を開始し、ほぼ毎日勤務していました。

 法人は、原告に対して一部のレギュラー勤務を廃止すると通知し、原告のシフトを減らしました。これにより、原告の給与は半分以下に減少しました。

 本件は、原告がレギュラー勤務の雇用契約の成立を主張し、シフト削減は無効であるとして、差額賃金の支払いを求めた事案です。

(判決の要旨)

 判決は、シフト制であることと一部の労働者に固定したシフトを割り当てることとは何ら矛盾するものではなく、本件雇用契約において固定した勤務日および勤務時間の合意があったとしました。

 そして、シフトを削減するという労働条件の切り下げは、原告の同意なく無効であるとし、差額賃金の支払いを認めました。

※確定

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